オジサン歓喜な新型「アトレー」のライバル? 新型「スペーシアベース」の車中泊仕様をプロはどう見る? 似て非なる違いとは

新型スペーシアベースはキャンピングカー仕様も出てくる?

 一方で、車中泊のプロともいえるキャンピングカービルダーは、違う見方をしています。

 埼玉県内にあるキャンピングカービルダーに、新型スペーシアベースの感想を聞きました。

「正直なところ、車中泊車としてはどうでしょうか。

 このモデルはFF車ですので、ノーズ部分が長く、その分だけ室内スペースが取られてしまいます。

 フラットフロアはできますが、運転席・助手席を最大限に前にズラしても、おそらく150cm程度の室内長しか取れないと思います(カタログ数値では137cm)。

 だからこそ、ボードと前席を連結させることでフラットシートを作ったのでしょう。

 見た目も洗練されているし、女性ウケしそうなエクステリアデザインですが、内装が張り出ていることなどを考えると、プロはキャンパーベースとしては見ないでしょうね。

 DIYでベッドを造る人もいると思いますが…」

新型スペーシアベースをフラットにした状態
新型スペーシアベースをフラットにした状態

 同じくライバル車のN-VANは、助手席を床下収納可能にすることで、室内長を長く取ることに成功しています。

 またアトレーはハイゼットバンと同じ駆動系レイアウトを採用しており、こちらも室内空間を確保するには有利です。

 一見すると3車は横一列のライバルのように思えますが、新型スペーシアベースだけ違う立ち位置にいることが分かります。

 従来になかったエクステリアと、マルチボードという便利機能、商用車ならではのフラットフロア、そして5ナンバー車譲りの安定した走りと静粛性が、新型スペーシアベースのウリといえるでしょう。

 エブリイ並のスペースユーティリティを期待するのは難しいですが、さまざまな機能と自分のライフスタイルが合致すれば、新世代商用車の第三極になるかもしれません。

 いずれにせよ、ヒットの可能性は十分です。

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Writer: 山崎友貴

自動車雑誌編集長を経て、フリーの編集者に転向。登山やクライミングなどアウトドアが専らの趣味で、アウトドア雑誌「フィールダー(笠倉出版社刊)」にて現在も連載中。昨今は車中泊にもハマっており、SUVとアウトドアの楽しさを広く伝えている。

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1件のコメント

  1. アトレー、エブリィ、N-VANの圧勝ということで。アルトには勝てるでしょう。値段で大敗するでしょうけど。
    昔は4ナンバー550ccのアルトで東北一周とかしてましたね。冬眠中の齧歯類みたいな姿勢で。起きたら体中がバキバキに痛いのなんのって。
    軽バンにしてから快適過ぎて軽バン以下の居住空間の車には乗る気がしません。最初の車をミラじゃなくアトレーにしていたら、人生が違っていたのかも。

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