「新車が足りない!」納期遅れは一体いつまで!? 新車価格高騰の懸念も メーカーの対策とは

部品供給遅れが解消するのは2023年度以降か!? そして気になるのは販売価格上昇の可能性だ

 とはいえ、日系自動車メーカー各社の多くは、半導体不足の影響による新車供給遅れについて「いつ頃解消する見込み」という表現は使っていません。

 海外での各種報道では、海外自動車メーカーや海外の半導体メーカーのなかには、半導体不足は2022年下期から2023年度にかけて解消に向かうという話も出てきています。

 しかしその一方で、日本の半導体メーカーのなかには、半導体供給不足の解消時期についての予想を示すことを控える場合もあるからです。

 そのため日系自動車メーカー各社が、新車が安定的に供給できる可能性が見えてきたと販売店に対しいえるようになるのは、少なくとも2023年度に入ってからだと筆者(桃田健史)は感じています。

在庫はいっこうに増えないまま、新車の供給不足は依然として続いています[画像はイメージです]
在庫はいっこうに増えないまま、新車の供給不足は依然として続いています[画像はイメージです]

 もう1点、新車に関してユーザーが気になるのは、メーカー希望小売価格の値上げでしょう。

 いま、食料品や衣料品などの日常生活に関わる様々な物資、また電気代やガソリン価格などのエネルギー価格が値上がりしています。

 新車についても、一部の輸入車や国産車で値上げの動きが出てきました。

 自動車の場合、値上げの直接的な理由として挙げられるのが、鋼材、アルミ、樹脂など原材料の価格上昇の影響です。

 日産の場合、2022年第1四半期の営業利益で、原材料に関して前年同期比で507億円の減少となっています。

 こうした状況の対策として、日産では原材料メーカーと購買について直接交渉を積極的におこない、中長期での安定価格かつ安定供給に向けた話し合いを続けているといいます。

 さらに、販売奨励金の抑制など、適正な新車価格での販売の効果もあり、現時点では原材料の価格上昇分を新車価格に転嫁する考えはないとのことです。

 新車価格の値上げについては、メーカー各社の事業方針によって、今後も多少の違いが出てくるようです。

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Writer: 桃田健史

ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。
近著に「クルマをディーラーで買わなくなる日」(洋泉社)。

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