新車が買えない! トヨタは半数のモデルが注文不可!? 納車遅延が及ぼす深刻な影響とは
新車の納期遅延により、さまざまなところへ影響が出ており、中古車価格の高騰やEV補助金、自動車税など、ユーザーへのしわ寄せが懸念されています。
買えないクルマが続出するさまざまな事情
最近の新車販売店からは「もはや売るクルマがありません」という話が聞かれます。さまざまな車種の受注(ユーザーから注文を受けること)が停止しているからです。
このほかにも受注を停止している車種は多く、その理由はさまざまです。もっとも深刻なのは、車種が多いトヨタでしょう。販売店では以下のように述べています。
「今は約半数の車種で受注が停止しています。例えば『プリウス』は年末にフルモデルチェンジを予定していますが、半導体やワイヤーハーネスなどの不足によって以前から納期が半年以上に延びていました。
そうなると現時点(2022年7月下旬)では年末に登場する次期型を受注する必要がありますが、その準備は整っていません。そこで受注を止めました。
受注再開の時期は未定で、早くても11月以降です」
そのほかの車種はどうでしょうか。
「『シエンタ』や『アルファード』もフルモデルチェンジを予定しており、以前から受注が停止しています。
マイナーチェンジや改良でも停止することがあり、『カローラクロス』『カムリ』『ハリアー』などは受注できません」(トヨタ販売店)
これらの受注停止は、新型コロナウイルスやロシアのウクライナ侵攻を発端にしたパーツの供給不足による納期遅延が原因ですが、ほかの事情で停止することもあります。その典型が『ランドクルーザー』です。
ランドクルーザーは、もともと中東地域で約半数を売る計画を立てており、日本の割り当て台数は生産総数の10%以下でした。
しかも現行ランドクルーザーは、海外で予想以上に人気を得たため、発売直後から納期が4年以上に遅延。その結果、直近の受注停止に至りました。
ランドクルーザーが受注を止めた一番の理由は、生産計画の段階で国内市場を軽視していたことにありました。
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日産では、新型になった「フェアレディZ」と「アリア」の一部グレードで受注が停止しています。
販売店は次のように説明します。
「新型フェアレディZは、原材料などの供給不足により、減産を強いられました。そのために現時点で受注しているお客さまの納期も、かなり遅れそうです。
もはや新規受注には対応できないため、停止させました。受注を再開する時期は不明です。
アリアも主なグレードは受注を止めています。納期も分かりません。フェアレディZとアリアは、技術の日産を代表する新型のスポーツカーと電気自動車ですから、この2車種を販売できないのは辛いです」
この人はいつも、ランクルの受注停止は国内市場を軽視したせいだと言っているけど、需要が多い市場を優先するのは仕方ないんじゃないの?
メーカーだって慈善事業じゃないんだからさ。