トヨタも悩む「主力モデル」長納期化問題! 販売店の状況は? 営業「歩合」はどうなる?

歩合への影響は少ないが… 営業マンもやはり人…

 新車の長納期化における販売会社や営業担当者への影響について、トヨタ系販売店関係者は次のように話します。

「ありがたいことに、納車が進まないなかでも多くのご注文をいただくことができています。

 また、既存のお客さまへの対応などもあるため、そういう意味では『仕事がない』という状況ではありません。

 最近では、ご注文されるお客さまに対し、納期が不安定であることを入念に説明するようにしているため、長納期化についてもある程度はご理解いただけると思います。

 しかし、やはり一定のクレームをいただくことも事実です。ただ、新車の長納期化については、販売店レベルではどうしようもないというのが正直なところです」

 実際、インターネット上では、相次ぐ納期の遅延に対して、販売店を非難する言葉も見られます。ただ、個々の販売店や営業担当者の努力でできることは限られているのが現状です。

営業マンへの「歩合」に影響は出ているのか?
営業マンへの「歩合」に影響は出ているのか?

 一方、各営業担当者の歩合給について、前述とは別の販売店担当者はそれほど深刻な影響はないといい、次のように話しています。

「販売会社によっても異なりますが、当社では新車販売における歩合は数千円となっています。

 新車価格に応じた歩合としていないのは、歩合のためにお客さまの意に沿わない高価格車を押し売りするようなことがないようにするためです。

 一般的な営業担当者であれば、これまでも月に3台程度の販売(納車)が平均的な数値であるため、現在問題となっている新車の長納期化によって、各営業担当者の生活に大きな支障が出ることは少ないと思われます。

 とはいえ、営業担当者のなかには若手スタッフも多く、歩合給を期待している場合も少なくありません。

 また、販売店レベルではどうしようもないことに対するクレームが続けばモチベーションも下がり、最悪の場合、退職してしまう可能性もあります。

 そういった意味では、新車の長納期化が販売店に与える影響が見られるのは、これからなのかもしれません」

※ ※ ※

  昨今の新車の長納期化は、新型コロナウィルスやウクライナ危機などに端を発するものです。

 現状では待つしかないというのが実際のところであり、販売店の営業担当者へクレームを入れても事態は進展しないということは、われわれも理解しておかなければなりません。

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