良い意味で裏切られたジープの新「コンパクトSUV」!「アベンジャー」に追加された“マイルドハイブリッド”モデルを試乗 オフロード性能の高さは抜群!?
ジープ「アベンジャー」にマイルドハイブリッドモデル「4xeハイブリッド(4xe Hybrid)」が追加され、3月5日より販売開始となりました。ブランド初のヨーロッパ主体モデルとなるアベンジャーですが、オフロードでの実力はいかに。ジャーナリストの西川昇吾氏がレポートします。
“なんちゃってシティSUV”ではない高い性能を実感
ジープ「アベンジャー」は2024年に日本市場に登場した、ジープブランドで最もコンパクトなSUVです。
登場時は電気自動車(BEV)のみでしたが、今回新たにマイルドハイブリッドモデル「アベンジャー 4xe ハイブリッド(Avenger 4xe Hybrid)」が追加されました。
はたしてジープブランドに恥じない仕上がりとなっているのか。オフロードコースでその実力をチェックします。
ジープは85年に及ぶ歴史を持つアメリカ生まれのブランドです。
その起源はアメリカ軍の要請によって開発された小型4輪駆動車にあり、このアメリカ軍によって開発されたモデルこそ、すべてのSUVの先祖とも言える存在です。
しかし紆余曲折を経て、現在のジープブランドはヨーロッパのオランダに本社を構えるステランティスグループが所有しています。
こう聞くとヨーロッパ色が強くなってしまったと感じる人もいるかもしれません。
ですが、実際にラインアップを見てみると、アメリカ市場で人気の高いミドルサイズ以上のSUVが中心となっていて、デザインもアメリカナイズされています。真髄を忘れないブランディングが特徴です。
そんなアメリカのスピリットが根強く息づいているジープブランドとして初めてヨーロッパ中心で開発されたのが、今回登場したアベンジャーです。
実はブランドで唯一北米市場では販売されていないジープモデルなのです。

●オフロード性能のために変更されたハードウェア
アベンジャーのボディサイズは全長4120mm×全幅1775mm×全高1600mmとコンパクトで、BセグメントSUVに属します。
プラットホームは同じクラスであるフィアット「600」やアルファロメオ「ジュニア」と共通で、1.2リッターの3気筒マイルドハイブリッドというパワートレインも共通です。
ハードウェアだけ見れば、ステランティスのBセグメントモデルのオーソドックスなもので構成されています。
しかし、ジープブランドの名に恥じないオフロード性能を実現するために変更されたハードウェアもあります。
それがリア周りです。他のマイルドハイブリッドモデルと異なり、リアにモーターを配置し、オンデマンド4WDとしています。
また、モーターを配置したため、サスペンション形式もトーションビームからマルチリンクへと変更を受けています。
オフロードでの走破性を高めるセレクトテレインやヒルディセントコントロールなどを装備していて、その性能には自信アリとのこと。
何より今回の試乗はオフロードコースの「さなげアドベンチャーフィールド」(愛知県豊田市)。
メディア試乗会にこの場所を選ぶことからも、オフロードシーンでの走りにこだわりがあることが分かります。

●「ジープ」の名に恥じない走破性を実感
オフロードコースを走り始めてスグに感じたことは、「コンパクトでスクエアなボディは車両感覚がつかみやすくてイイ!」ということです。
特に視界に入る角ばったボンネットは、車両の左右端が分かりやすく狭いオフロードコースを安心して走行することができました。
デザイン上のアイコン的な要素だけでなく、オフロードでの実用性も加味したデザインに仕上げられていると改めて実感した瞬間です。
オフロードを「SAND/MUDモード」で走行すると、必要に応じてリアタイヤにトルクをかけてくれて、前後のタイヤでホイールスピンが発生します。
ぬかるみからの脱出など、ホイールスピンを起こして「掻く」ことはオフロード走行では必要なこと。これはオフロードでも使えるオンデマンド4WDだと確信しました。
また下り坂ではヒルディセントコントロールを効かせて低速で下っていくことも可能なので、オフロード走行に慣れていない人も安心感を持って急斜面を下ることができます。
さらに驚かされたのはAUTOモードでも普通に走れてしまうということです。
SAND/MUDに比べるとホイールスピンは少なめなので、本格的にぬかるんだ場所ではAUTOモードでは厳しいと思いますが、この「サラッとこなしてしまう感」は予想外でした。
さすがに「ラングラー」のような本格的なオフロード走行は難しいと思いますが、一般ユーザーがアウトドアなどで使う分には十分すぎるレベルだと今回の試乗で感じましたし、何よりBセグメントSUVでこれほどのオフロード性能が高いモデルはそう多く存在しません。
コンパクトSUVでこれよりも高いオフロード性能を求めるならば、他には「ジムニー」しか選択肢はないと思えたほどです。
また今回は試す機会がありませんでしたが40cmの渡河性能も有しており、優れたオフロード性能と相まって、もしもの時の“頼れる相棒感”が強い1台だと感じました。
事前の情報では「ヨーロッパ色の強いなんちゃってシティSUV」と思っていたのですが、「ジープ」の名に恥じない確かな性能を備えていて、良い意味で裏切られた試乗となりました。
Writer: 西川昇吾
1997年生まれ、日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。大学時代から自動車ライターとしての活動をスタートさせる。現在は新車情報のほか、自動車に関するアイテムや文化、新技術や新サービスの記事執筆も手掛ける。また自身でのモータースポーツ活動もしており、その経験を基にした車両評価も行う。






























































