「酷暑で初めて知った」快適車! 外気温40度でも電気自動車は「エアコン冷え冷え!?」 冷風維持できるEVとエンジン車の違いとは

7月に入り、早くも全国的に猛暑の日が続いています。暑さのなかカーエアコンの効きも悪くなりますが、電気自動車(EV)だけは変わらずエアコンの冷風が保たれているといいます。なぜでしょうか。

「熱源」の有無がこんなにもエアコンの効きを左右するとは!

 EV(電気自動車)に10年乗っている私(国沢光宏)ながら、直近の猛暑で初めて認識したことがあります。
 
 電気自動車、凄い暑い日でも超快適なのです。

酷暑のなかのドライブでは、カーエアコンが効きにくいことも多い[画像はイメージです]
酷暑のなかのドライブでは、カーエアコンが効きにくいことも多い[画像はイメージです]

 電気自動車は、たとえ外気温40度でもカーエアコンはバリバリに効くし、1年で最も直射日光強いこの時期ながら、太陽の熱射だって気になりません。それでいて電費の悪化は十分に容認出来るレベルです。

 なぜ電気自動車が酷暑に強いか分析してみたら、完全に納得できました。

 まずカーエアコン。驚いたことに外気温40度になっても、ルーバーから出てくる冷気はキンキンに冷たいです。

 乗った直後こそ「あっちっち!」と感じるけれど、あっという間に冷たい風が出てきて快適になります。

 加えて、全ての窓ガラスに断熱を採用している上、車体の断熱性も高いらしく、直射日光による遠赤外線を感じません。酷暑の中をクルマで走っていて感じるまったく無しです。

 まずカーエアコンのシステムを簡単に紹介しておきましょう。

 送風口から冷気を噴き出させる「冷源」は、液体のフロンガスを気体にするときの潜熱から作られます。汗が乾くときに身体を冷やすのと同じ理屈です。

 気体になったフロンガスはラジエターと同じような構造になっている「コンデンサー」で冷やすと、再び液体になります。エアコンの冷媒に使われるフロンガス、60度まで冷えたら液体に戻るのです。

 したがって理論上、外気温60度までなら冷たい風を作り出せます。

 しかし、外気温40度以上になると、エンジンルームの中はラジエターから出る熱気も混ざり(コンデンサーはラジエターと並んでいる)限りなく60度に近づいてしまいます。

 こうなると冷気を生み出す効率が悪化。とくに渋滞などのノロノロ走行や、信号待ちなどエンジンルームに風の入りにくい状況ではかなり厳しくなります。

 したがって外気温40度を超えると、皆さんが感じる通り「走っていればエアコン効くけれど、渋滞では冷えにくくなる」ということになります。

 ただし、電気自動車は全く状況が違います。

 エアコンのコンデンサーの付近には、湯たんぽのような熱源無し。外気温40度ならフロンガスはコンデンサーを通ることで、余裕を持って気体から液体に変われます。

しかも液体になった時の温度も、60度を大きく下回るのです。全体の効率からすれば、外気温が10度以上低い時と同じレベル。

そんなことから、外気温40度になってもエアコンの効きは「全く変わらない」と言って良いほどです。

 私は、酷暑日続出となった6月30日に愛車の電気自動車、日産「リーフ」で東京都の23区内を走行してみました。

 オートエアコンは25度設定です。

 道路上は輻射熱があるせいか、16時31分時点で車載の外気温表示も39度に。そんな状況下でも電費6km/kWhと、通常から10%も落ちていません。

 もう少し細かく書くと、走行72kmで消費した電力12kWh。私の家は電力が余っている夜間に充電すると12.73円/kWhのため、走行コストは153円となります。

 この気温でカーエアコンを使うと、ハイブリッド車でも燃費はガックリ落ちる。普段なら燃費25km/L走るプリウスだって10%以上ダウンします。

 22km/Lとしたら、走行72kmのプリウスのガソリン代は550円。電気自動車の方がはるかにエネルギーコストが低くて快適でした。

 恥ずかしながら、電気自動車が抜群にエアコン効くということを、電気自動車歴10年目にして初めて認識しました。

 この件、SNSで書くと今年の酷暑で電気自動車乗りの皆さんが感じているらしい。日産の開発者に聞くと、ナント軽EVの「SAKURA」もエアコンはバッチリ効くとのこと。

 何よりエンジン車でドア開けて降りたときの車両下側から来る「もわっ!」という熱気は全くありません。これまた新鮮な驚きだったりします。

 だったら燃料電池車トヨタ「MIRAI(ミライ)」のカーエアコンも同じように効くんじゃないだろうか? と思って走ってみたら、これもまた抜群に効きます。

 考えてみたらエンジン車、温暖化ガスの二酸化炭素を出すだけでなく、直接大気に熱を放出しています。

そんなことで酷暑になって以後、クルマに乗るときは全てリーフにしていましたが、明日からはMIRAIも積極的に乗ろうと思った次第です。

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Writer: 国沢光宏

Yahooで検索すると最初に出てくる自動車評論家。新車レポートから上手な維持管理の方法まで、自動車関連を全てカバー。ベストカー、カートップ、エンジンなど自動車雑誌への寄稿や、ネットメディアを中心に活動をしている。2010年タイ国ラリー選手権シリーズチャンピオン。

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コメント

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17件のコメント

  1. ま―よくこんな提灯記事掛けるな。
    さすがプロは違うな。

  2. e+乗りですが、確かに夏冬のエアコンは、快適ですね。

    また、駐車場でエアコン作動できるのも、嬉しいです。

  3. そして、夏の高速道路で事故による大渋滞が起きて、電気自動車は電欠を起こすのでした。

    • ひねくれ者!

  4. 前の記事で「ガソリンのエネルギーコストには税金を含むが、電気のエネルギーコストは税金を含まない」とコメ欄で指摘されるも、全く無視ですか?

    氏のブログもそう言った指摘が相次いだことでコメ欄閉鎖したんでしょうね。
    罵詈雑言は別として、ヒョーロンカなんだから指摘は指摘で受け止めないと。

  5. コンデンサーで冷やす?多分コンプレッサーの間違いだろうけどこいつバカだから違いが分かんねぇんだろうな

    こんな無知で金貰えるんだもん本当気楽な商売だよ全く

    • コンデンサーで合ってますね
      余分な熱を排出する役割があります
      熱交換器のことです。
      ちなみにエバポレーターが冷えそこに風を送りつけて冷風を排出します。
      コンプレッサーは圧縮用です。
      何々で冷やす〜ではなく
      どれ一つ欠けても冷やすことはできませんね。

  6. エアコンのコンデンサは車の一番前に設置され、車両前方空気を電動ファンで当てている。
    たとえ渋滞中であっても自車エンジンの影響を受けるとは考えにくい。
    それに炎天下の渋滞となればアスファルトからの熱の影響が相当大きいはず。

    EVのエアコンが効くのは、ヒートポンプ暖房に合わせて冷房能力が高いからじゃないだろうか?

    メーカーの技術者の言う事なら取り敢えず納得するが、どうにも信用ならない。

    • そんなに効くのに10年目に気付く?

      ガソリン車も熱線カットガラスを標準装備してれば同じようなものかも。
      それよりAピラーが寝すぎなんですよね。空力重視もほどほどにしてほしい。

  7. 私が乗ってるBMW5シリーズやレクサスは、EVじゃないけど超キンキンだよ?
    安物のエアコンだから暑いと気付きなよ。
    それに、EVは内燃機関がないから、冷暖房で問題になるのは、冬の暖房じゃん。
    エンジンの廃熱を利用できないEVでは、電力で発熱する宿命なんだけど。
    冬場にもその勢いで記事を書けるものなら書いてみなよ。

  8. 暑い寒いは個人差大きすぎでまったく当てにならない。最初は暑いけど冷えてくるなんて、別に乗用車以上でガスきちんと入っていれば大差ないし。つか外気温40℃近い状況で熱された車は何してもしばらく暑いもんは暑い。冷え冷えなんて誇大表現まで達するには絶対時間がかかる。

  9. 単にEVの場合は冬場の暖房手段をエアコンに頼るので、容量が大きいだけでしょう
    エンジンがないからエアコンが効くというのは怪しいですが、仮にそうだとしたら冬場の暖房の効きはどうなるのでしょう?

  10. エアコンがよく効くってことは電力よく食うってことやからな?
    そのキンキンでどれだけ走れたんですかね?
    記事にするならそうゆう所までキッチリ書くんやな
    たまたま出てきたから見たけど今後は表示されないようにしますね
    役に立たちそうにないので
    あと広告うざい

  11. 冷房なんてガソリン車でもよく冷えるし電気自動車でもよく冷え電気もあまり食わない。

    違うのは暖房でエンジンの熱を利用できるガソリン車と電気食いまくりの電気自動車。

    走行出来る距離が一気に減っていく。

  12. evは、冷房が効くだけでなく、コンプレッサーが動くときのパワーダウンも無いですよ。
    その理由は、すぐにわかることですよね?

  13. そんなに効くのに10年目に気付く?

    ガソリン車も熱線カットガラスを標準装備してれば同じようなものかも。
    それよりAピラーが寝すぎなんですよね。空力重視もほどほどにしてほしい。

  14. 早いところ電気自動車の一般普及をお願いします。ガソリン価格が高すぎてもうだめだ 

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