オービスを光らせるとどうなるのか? “どんより”な取り調べと降りかかる処分…「代償はあまりに大きい」

スピードを出しすぎてオービス(速度違反自動取締装置)に撮影されると、どうなるのでしょうか。当事者から直接聞いた話を元に、「待ち受ける事態」と「代償」を解説します。

写真の予想以上の鮮明さに言い逃れはできない

 スピード違反の車両を撮影するオービス(正式には速度違反自動取締装置)に撮影された経験のある人は、少ないと思います。ネズミ捕りや追尾方式を含めたスピード違反での取締りを受けた人のうちのたった3%が固定式オービスによるものです。

 とはいえ、それでも全国には400機以上の固定式オービスがあり、24時間365日スピード違反のクルマを自動で監視しているため、もしかすると友達の友達くらいにはオービスを光らせた人がいるかもしれません。

Hシステムオービス。大阪府で撮影(画像:オービスガイド)
Hシステムオービス。大阪府で撮影(画像:オービスガイド)

 筆者(オービスガイド 大須賀克巳)も幸いというか、今のところ光らせたことはありません。しかしオービスガイドという情報サイトを運営しているため、オービスを光らせてしまった人からお電話やメールを頻繁にいただきます。本来、窓口は、サイトの掲載内容やアプリのサポート用なのですが、皆さんの藁にもすがる思いがひしひしと伝わってくるのもあり、私も時間が許す限り、お話を聞かせていただいています。

 また、サービスの立ち上げ時に、勉強のため数名のオービスを光らせた人にインタビューをしたこともあります。このように実際オービスに撮影された人から直接伺った内容を元に、「固定式オービスに撮影されたらどうなるのか」について、代表的な例をまとめてみました。地域や状況により下記の通りではありませんので予めご了承ください。

【1】オービスを光らせた直後

 スピードを出しすぎてオービスを光らせると、多くのドライバーが条件反射的にブレーキを踏みます。そして追越車線を走っていた場合は左車線へ移動します。もちろん光った後でブレーキを踏んでも、車線変更をしても、撮影されたことに対しては何の効果もありません。そして「本当に撮影されたのか?」「テスト撮影では?」「罰金はいくら?」「免停になる?」など様々なことを考えながら目的地へ向かいます。

 大きな不安や後悔の念に襲われ、自宅や目的地についても日常のことがあまり手に付かず、インターネットでオービス関連の情報を調べまくるようです。そして当サイトの窓口にたどり着く人がいます。

 初めてオービスを光らせてしまった人は、このような不安な精神状態で数日から数か月間を過ごします。警察からの呼出状は、早いと1週間以内に届く場合もありますが、通常2~3週間が多いようです。昔は3か月以上たってから届いた例もありますが、最近は1か月以内に9割以上が届き、2か月以上経過すれば届かない可能性が高いです。

【2】呼出状が届く

 呼出状は郵便ポストにハガキか封筒で届きます。呼出状が届くと違反者は残念と思うのと同時にどっち付かずの状況が解消され、少しすっきりするそうです。通常は「呼出状」と書かれていますが、地域によっては「連絡票」や「出頭通知書」などいろいろなタイトルになっています。

 内容は、「お尋ねしたいことがありますので……」という書き出しで、違反日時、違反場所、出頭日時、出頭場所、注意事項などが記載されています。出頭日は○月○日(平日)と指定されるため、仕事のある人は休暇や遅刻・早退でスケジュールを調整することになります。もし、旅行先などの遠方で光らせた場合は、地元での処理へ変更する相談もできます。

【3】出頭する

 出頭場所は交通機動隊などの警察関連施設となりますが、なぜか「初めて就職の面接に行く気持ちに近い感じ」と表現される人が多いようです。

 指定場所に着くと自分以外の違反者も数人いて「あぁ、皆光らせちゃったんだ」とか「この人たちと自分は同じなのか」など様々な感情を抱くようです。

 受付を済ませ自分の番まで待合室で待ちます。順番が来ると取調室に入ります。実際にそうなのか、気持ちのせいなのかは分かりませんが、どんよりとした部屋の事務机に警察官と対面でパイプ椅子に座り、書類を見ながら違反した時の状況などを確認していきます。

 そして、オービス写真を見せられます。皆さんは予想以上の鮮明さに言い逃れはできないと思うようです。その後は、調書や赤キップにサインしてその日は完了です。ちなみにオービス写真は、撮影も持ち帰りも禁止です。

【写真】実際のオービスと、赤い「呼出状」を見る(13枚)

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