オービスを光らせるとどうなるのか? “どんより”な取り調べと降りかかる処分…「代償はあまりに大きい」

裁判で判決…その後、選ぶ人が多い「救済措置」も

【4】出廷通知が届く

 後日、裁判所から出廷通知が郵送されてきます。この頃になってくると淡々とミッションをこなしていく感じになるそうです。

【5】裁判所に出廷

 裁判所に出廷するといくつか質問され、それに答えて最終的な判決が下ります。

○速度超過が50km/h未満は、違反点数6点以下、10万円以下の罰金
○速度超過が50km/h以上は、違反点数12点、10万円以下の罰金

 罰金の金額は、概ね速度超過したスピードによりほぼ決まるため、「家族が急病で……」などの理由はあまり考慮してもらえないようです。

 なお、運転免許の停止期間は超過速度や前歴によって異なりますが、通常30日から90日で最長180日です。また、悪質な速度超過の場合は、罰金刑ではなく逮捕され懲役刑になる場合があります。地域によっては裁判所ではなく検察庁へ呼ばれる場合もあるようです。

固定式オービスの予告看板。千葉県で撮影(画像:オービスガイド)
固定式オービスの予告看板。千葉県で撮影(画像:オービスガイド)

【6】停止処分者講習

 多額の罰金を支払い、免停で長期間クルマに乗れなく落ち込んでいるところに、少し光が差し込みます。

 免停期間を大幅に短縮できる講習を任意で受けることができるのです。ここでもお金が必要ですが、ほとんどの人はこの救済措置を受ける選択をします。例えば30日間の免停処分を受けた人でも29日の短縮日数を獲得できれば、たった1日で免許が復活します。

 しかし、ただ講習に参加すれば自動的に免停期間が短くなるわけではありません。講習後の試験結果や受講態度の評価に応じて短縮日数が決まるため、まじめに受講して結果を出す必要があります。

 講習の内容は、教室での講義、運転シミュレーターや実車での指導、適正検査などですが、実車の運転では、何十年も運転してきたドライバーでもかなり緊張するようです。下記は免停講習の区分けです。

○短期講習:免停期間が30日間の人は、6時間(1日)の講習と受講料は概ね1万4000円以内
○中期講習:免停期間が60日間の人は、10時間(2日)の講習と受講料は概ね2万3000円以内
○長期講習:免停期間が90日間以上の人は、12時間(2日)の講習と受講料は概ね2万8000円以内

【7】免許復活

 免許センターなどで免許証を返却してもらい終了ですが、オービスを光らせた代償はあまりに大きいと皆さんは言います。

 時間もお金も必要ですし、勤め先がある人は有給休暇を取り、同僚に負担をかけ、家族や友人からはバカにされ、免許証は点数が増え、運転できない期間があり、非日常的なミッションをこなし、精神的にもかなり疲れるようです。

 運転を生業とする職業の人はさらにダメージも大きいと思われます。

 固定式のオービスであれば、高速道路では40km/h以上、一般道では30km/h以上速度超過しないと光らないといわれています。「固定式のオービスなんて場所が分かっているし手前に看板があるから大丈夫だよ」という人も、最近では半固定式オービスなるものも徐々に増えつつあるので要注意です。また、小型でどこにでも設置できる移動式オービスは青キップレベルの違反でも遠慮なく光ります。

 とにかくクルマを運転する時は、時間と心に余裕を持って安全運転をするのが大切です。

【写真】実際のオービスと、赤い「呼出状」を見る(13枚)

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Writer: オービスガイド 大須賀克巳

2008年よりドライバーのための情報を共有するネットワーク作りにとりかかり、現在は「オービスガイド」(アプリ・WEB)を開発と運営。
北海道から沖縄まで、全国全てのオービスを定期的に現地調査。今後も取締り情報に限らず、車に乗る人が安全で快適に、楽しく運転できる仕組みを作りたいと日々奔走している。

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