「簡単にはいかない…魔物は夜中にやってくる?」 トヨタ/スバルの富士24時間! 長丁場の末に見えたものは?

2022年6月3日-5日に「スーパー耐久シリーズ2022 第2戦NAPAC富士SUPERTEC24時間レース」が開催されました。カーボンニュートラル燃料で参戦した「28号車 ORC ROOKIE GR86 CNF Concept」と「61号車 Team SDA Engineering BRZ CNF Concept」、24時間のなかでどのようなドラマが生まれたのでしょうか。

決勝の24時間レース…順調に思えたが…魔物は夜中にやってくるのか?

「スーパー耐久シリーズ2022(以下、S耐)」にカーボンニュートラル燃料を使った「GR86」「SUBARU BRZ」で参戦しているトヨタとスバル。6月3日から5日にかけ開催された「第2戦 NAPAC 富士 SUPER TEC 24時間レース」は24時間の耐久レースですが、2台はどのように戦ったのでしょうか。

24時間を無事に走り切れるのか? 「28号車 ORC ROOKIE GR86 CNF Concept」(左)と「61号車 Team SDA Engineering BRZ CNF Concept」(右)
24時間を無事に走り切れるのか? 「28号車 ORC ROOKIE GR86 CNF Concept」(左)と「61号車 Team SDA Engineering BRZ CNF Concept」(右)

 6月3日に行われた予選を終えたGR86 CNFコンセプトとBRZ CNFコンセプトの2台は、翌4日から5日にかけておこなわれた決勝の24時間レースに臨みました。

 グリッド位置が中盤のGR86 CNFコンセプトに対して、BRZ CNFコンセプトは最後尾スタートとかなり離れていましたが、スバルの本井雅人監督は「ここからオーバーテイクショーをお見せしますよ!!」と余裕の表情です。

 15時にスタート、どちらも混乱に巻き込まれることなく順調に走り出します。

 本井監督の公言通りBRZ CNFコンセプトはオーバーテイクを繰り返し、気が付けばGR86の背後まで迫ります。

 その後2台はほぼ同タイムで走行、ピットインのタイミングなどで順位を入れ替えながらも、同一周回でラップを重ねていきました。

 途中、GR86 CNFコンセプトに「タイヤから振動が出ている」という無線が入り、ピットに緊張が走ったものの、タイヤ交換時にチェックすると大きなタイヤカスの付着が原因であることが判明、機械的なトラブルではなかったようです。

 15時のスタートから日が変わった深夜1時くらいまでは、どちらも順調すぎるほど順調で「このまま、何もトラブルが起きずに最終ラップまで行くのでは?」と思いましたが、やはり耐久レースの魔物は潜んでいました。

今回の富士24時間レースでは建設中のホテルの窓が特別に点灯する演出があった

 それは丑三つ時の深夜2時。

 あまりに順調なので一緒に取材をしていたK副編集長と交代で仮眠をとろうと、取材用に借りていた水素グランエースを停めている駐車場に向かっていました。

 そのとき、場内放送で「GR86 CNFコンセプトがコース上にストップ!!」というアナウンスが……。時計を見ると午前2時20分でした。

 実は2021年の富士24時間レースでも仮眠を取ろうと思った矢先、水素カローラにトラブルが起きましたが、今回もほぼ同じタイミングです。耐久レースの神様から「寝ようなんて百年早い!!」といわれたようでした。

 慌ててピットに戻ってみると、クルマは最終コーナー付近に止まっているといいます。ドライバーの鵜飼龍太選手からの無線では「ギアは入っているが、アクセルを踏んでも駆動が掛からない。ゆっくり走ってピットに戻ろうと思ったが、壊れた部品がギアのどこかに噛んでしまい止まってしまった」とのことでした。

 マシンはBパドックにあるリペアエリアに運ばれ、そしてチームはその場でトランスミッションの交換をすると判断しました。

 リペアエリアはピットと違って整備環境が整っていないうえに、マシンに触れることのできる人数にも制限があります。さらにGR86 CNFコンセプトはエンジンの搭載位置がノーマル仕様車のそれとは異なります。

 それでもメカニックの迅速な作業により、約1時間半で修理は終了。その後、マシンは一旦ピットに戻って各部のチェックをおこない、午前4時40分にコースへ復帰しました。

 そんなとき、ルーキーレーシングのピットにスバルの本井監督が、「お疲れさまでした」と、そっと栄養ドリンクを手渡しに……。

 ほんの一瞬の出来事でしたが、そのやり取りを見ていた筆者は、「ライバルだけど、いっしょに戦っているんだな」と、何だか嬉しくなってしまいました。

 そんな話をモリゾウ選手にすると、「ちゃんとお礼を言わないと」と即座にスバルのピットに向かい、「一緒に頑張りましょう」と声をかけていました。これこそが今のトヨタとスバルの関係性です。

Team SDA Engineeringに訪れたORC ROOKIE Racingのモリゾウ選手

 やっとひと息つける……と思った矢先、午前5時30分に今度はBRZ CNFコンセプトがトラブルで緊急ピットイン。こちらもミッショントラブルです。

 ドライブしていた鎌田選手によると「シフトが抜けなくなった」とのこと。チームはトランスミッション交換と判断し作業しますが、症状は回復しません。

 やがてトラブルの原因はリンケージ部分だったと判明、約1時間20分の作業を終えて午前6時50分にコースへと復帰しました。

 実はこのとき、リアウイングの取り付けに問題があったため、時間内の修復が無理との判断からこれを外すことになります。シェイクダウンからずっとウイングを装着していたため、ドライバーからは「ウイングの効果がよく解った」との話も聞けました。

 その後は、2台共に「あのトラブルは何だったのか?」と思うくらい順調に走行を続けます。

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