自動車税の納期限迫る! 排気量で決まる税制だがEV主流で変わる? 将来は「走行税」導入なるか
「保有に対する課税」から「使用に対する課税」へ
一方、自動車業界の電動化は急速に進みつつあります。
クルマの電動化が進めば進むほど、排気量の小さい、あるいはそもそもエンジンを持たないクルマが増えていくことになります。
しかし、現時点では、EVはガソリン車に比べて割高であることが多く、むしろ「ぜいたく品」です。
にもかかわらず、排気量がゼロであることから自動車税については非課税となっているわけですが、このままでは今後EVが主流になると税収に大きく影響することから、来たるべきEV時代に合わせた税制へと変化することが予測されています。
今後の税制に関して、東京都主税局の担当者は次のように話します。
「現在の自動車税は、排気量に応じて税額が決められていますが、(クルマの電動化が進むことで)排気量ではなく走行距離に応じた課税への変更したほうが良いのではないかなどの議論が、政府のなかで進められているようです」
走行距離に応じた課税、いわゆる「走行税」の導入はたびたび指摘されてきたことでもあります。
しかし、これを導入することは、「保有に対する税」から「使用に対する税」へと変更されることを意味し、自動車税というものを根本から見直すことが必要となります。
また、現在はガソリン税が「クルマの使用に対する税」としての性格を有しており、それとの整合性も考えなければなりません。
もちろん、社会が成立するためには一定の税収が必要であることはいうまでもありません。
しかし、税金の基本的な考え方である「中立公正な課税」というのは、守らなければならない大原則です。
東京都主税局の担当者は「走行税」の導入について、次のように話しています。
「現時点で具体的な話はありませんが、EVが今後主流となっていくことは既定路線であり、クルマそのものも日々進化しているため、現行の税制を見直さなければならないのはたしかだと思います」

実際に税制の見直しをおこない、決定をするのは政府かもしれませんが、実際にクルマを保有し使用するユーザーもしっかりとその意志を伝える必要があります。
どのような基準で、どれだけの税金を徴収するのがよいのかを、あらためて考えることが重要といえます。
※ ※ ※
なお自動車税は地方税であるため、各都道府県が管轄をしています。
そのため、未納があった場合の処置など都道府県によって異なるケースも存在し「中立公正な課税」の原則に反しているという指摘もあります。
とはいえ、完璧な税制というものは存在しません。自動車税そのものを否定するのではなく、常によりよいものへとアップデートしていくことが求められています。
Writer: PeacockBlue K.K. 瓜生洋明
自動車系インターネット・メディア、大手IT企業、外資系出版社を経て、2017年にPeacock Blue K.K./株式会社ピーコックブルーを創業。グローバルな視点にもとづくビジネスコラムから人文科学の知識を活かしたオリジナルコラムまで、その守備範囲は多岐にわたる。














































