トヨタとスバルが取組む「カーボンニュートラル燃料」ってナニ? 既存エンジン車にも使える!? 未来への挑戦とは
スーパー耐久に参戦する「GR86」と「SUBARU BRZ」はカーボンニュートラル燃料を使って参戦!
TOYOTA GAZOO RacingとSUBARUがスーパー耐久シリーズを活用しながら開発をおこなっているカーボンニュートラル燃料は炭化水素系のバイオ燃料と、合成燃料を混ぜたもので「P1レーシング・フューエルズ製」です。
WRCでは2022シーズンから使用されていますが、スーパー耐久シリーズで使われているものはJIS規格を狙って製造しており、市場でもそのまま使えるカーボンニュートラル燃料を目指しているところがポイントです。
スーパー耐久の現場で、ガソリンとカーボンニュートラル燃料を使ったときのエンジンの性能差を28号車「ORC ROOKIE GR86 CNF Concept」と61号車「Team SDA Engineering BRZ CNF Concept」の両ドライバー達に聞いてみましたが、どちらも「いわれなければ違いは分からない」とのことでした。
ただ、エンジニアリング的には“まったく同じ”ではなく、量産に向けた耐久・信頼を確保するためにはさらなる進化が必要だといいます。
その中身についてはまだ多くは語れないようでしたが、少しだけヒントを。
それによると炭化水素系バイオ燃料の成分は、ガソリンに限りなく近いものの完全に同じではなく余計な成分も入っています。
それがエンジンに何らかの影響を及ぼしている可能性があるそうです。
そのため、現時点では「燃料を改善すべきか? それともエンジン側で対応すべきか?」といった議論の真っ最中で、まだシークレットだといいます。
とはいうものの、ここは内燃機関の将来に関わる大事なところなので、今後の動向にも注目していきたいです。
Writer: 山本シンヤ
自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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