新エンブレム第1弾! プジョー新型「308」は輸入車代表モデルのVW「ゴルフ」を超えたのか?
2022年4月に9年ぶりとなるフルモデルチェンジですべてが新しくなったプジョー新型「308」。1.2リッターガソリンと1.5リッターディーゼル、そして1.6リッターPHEVと3つのパワートレインを用意します。今回は5ドアハッチバックの308、そのガソリンとディーゼルモデルに試乗しました。
秀逸なデザインで立派に、高級に見えるスタイリング
9年ぶりにフルモデルチェンジを受けたプジョー新型「308」に試乗しました。
プジョーの30X(一桁目の数字は世代によって異なる)といえば、Cセグメントのハッチバックを意味しています。
日本でも1990年代に「306」がヒット作となったので、記憶している人も少なくないでしょう。かくいう私も「306スタイル」を個人的に購入し、長く愛用していました。
もっとも、輸入車のCセグメントといえば定番中の定番であるフォルクスワーゲン「ゴルフ」が長くトップの座に君臨していて、プジョーの30Xやフォード「フォーカス」、オペル「アストラ」といったモデルはその対抗馬として捉えられてきたように思います(フォードとオペルはその後、相次いで日本市場から撤退。ただしオペルには復活の兆しが見られますが)。
たしかに、ゴルフは落ち着いた操縦性、快適な乗り心地、優秀な燃費、広々としたスペース、優れた信頼性や質感といった要素がいずれも高い水準でバランスされていて、ライバルたちにつけいる隙を与えませんでした。
そうしたなか、306はピニンファリーナの美しいスタイリングや広々とした室内、さらには圧倒的な快適性などでゴルフに肉薄しましたが、パワートレインの完成度ではゴルフに及ばず、室内のクォリティ感でもゴルフに大きな差をつけられていました。
そんな時代から20年以上を経て誕生した新型308がどんな仕上がりだったかを、私の記憶のなかにある最新のゴルフと比較しながらリポートすることにしましょう。
まず、エクステリアデザインはなかなか力強く、そして現代的ですが、それ以上に印象に残るのが質感の高さです。
クルマのデザインは不思議なもので、たとえ同じ形をしていても、安っぽく見えることもあれば高く見えることもありえます。
その秘密は、ボディパネルをプレスするときに使われる“型”にあるようです。この型が高精度に作られていると、できあがったパネルの面も美しく、キャラクターラインはシャープになります。その逆は……、いうまでもありませんよね。
そして新型308を見てすぐ感じたのが、「きっと高い型を使ったんだろうなあ」ということでした。
もちろん、キャビンをやや後ろ寄りにしたデザインはダイナミックな走りをイメージさせてくれるし、タイヤを覆うフェンダーの抑揚もなかなか見事です。けれども、新型308はこの型のできがいいおかげで、実際のボディサイズを超えて立派に、そして高級に見えます。これが、新型308の「第1の推しポイント」です。
そのままドアを開けて室内に入ると、ちょっと未来的なデザインのインテリアが目に飛び込んできます。同じプジョーの「208」もこれと同じ路線ですが、当然のことながら308のほうがより広く、そして高級に見えます。
それ以上に印象的なのが、ほかのブランドでは決して見ることのない独創的な色遣いや素材の使い方にあります。
今回試乗した308アリュール(1.2リッター直列3気筒・ガソリン)と308GT BlueHDi(1.5リッター直列4気筒・ディーゼル)の内装は黒基調でしたが、ここに組み合わされるグレーの色調がなんともオシャレだったほか、要所要所にアルミパネルが組み合わされていたり、差し色のステッチが入っていて、どこか気分を明るくしてくれるようなデザインに仕上がっていました。また、パーツ類の精度感が高いことも印象的。
さらにタッチディスプレイを用いたインターフェイスも現代的ですし、インフォテイメント系だけでなく運転支援装置(ADAS)もひととおり揃っていて、機能的にもまったく不満を抱きません。ひと昔前のフランス車ファンが見たら、きっと大いに驚くことでしょう。これが、新型308の「第2の推しポイント」です。
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