一番売れたメルセデス・ベンツ車はなんと「Gクラス」! 1000万円超えのSUVがいま大人気の理由とは
日本自動車輸入組合(JAIA)が発表した2021年度(2021年4月から2022年3月)の数字を見てみると、メルセデス・ベンツ車で一番売れたモデル、ベストセラーカーには「Cクラス」や「Aクラス」などの人気モデルを抑え「Gクラス」が輝きました。なぜエントリーグレードでも1200万円を超える高級SUVのGクラスがいま、人気なのでしょうか。
CクラスやAクラスの販売台数をも抑えた高級SUVのGクラス
2022年も4月を迎え、新年度がスタートしました。
それに合わせて、前年度となる2021年度(2021年4月から2022年3月)の販売実績が発表されています。そんななか、輸入車の2021年度の販売実績で、驚きの結果がありました。それは、2021年度のメルセデス・ベンツのベストセラーカーが「Gクラス」であったことです。
データはこの4月に発表された、日本自動車輸入組合(JAIA)の「外国メーカー車モデル別新車登録台数順位の推移(年度)」。
この順位をみるとメルセデス・ベンツのトップは、全体として10位を獲得した「Gクラス」(販売台数5238台)となっていたのです。
これまで、メルセデス・ベンツのベストセラーの地位は、長年「Cクラス」や「Aクラス」が守っていました。ところが、2021年度のCクラスは販売台数4970台で、総合14位に落ちてしまっていたのです。
これは総合11位の「Aクラス」(5146台)、総合13位の「Sクラス」(5078台)よりも下の数字となり、メルセデス・ベンツのなかでは4番目という結果になりました。
では、なぜGクラスがメルセデス・ベンツのトップとなったのでしょうか。
その理由のひとつは、タイミングではないでしょうか。
Cクラスは、2020年6月にフルモデルチェンジした新世代が日本に導入されています。
ところが、このタイミングが最悪です。なんといっても世界中でコロナ禍が猛威を振るっていました。
しかも、その後には半導体不足にも祟られます。つまり、生産がうまく立ち上がらずに、供給が滞っていたのです。
そのため新型Cクラスの販売は、想定どおりに伸ばすことができませんでした。この不調は2020年度中に解消されることなく、2021年度にまで引きずってしまいます。
一方、Gクラスは、2018年に大幅な改良が実施されました。これは1979年に始まる長いGクラスの歴史の中で、最大級の改良だと説明されています。
正直、ラダーフレームから新設計されていますから、これはフルモデルチェンジしたといってもいいのではないでしょうか。
そして、2019年にはGクラスのエントリーとなる3リッターのクリーンディーゼルモデル「G350d」を追加。この後にコロナ禍に襲われますが、バックオーダーも多かったはずですから、発売から2年から3年経って、ようやく販売が安定したのではないでしょうか。
ちなみにGクラスの2020年度の販売台数は4559台。2021年度と比べると700台ほどしか違いません。
つまり、Gクラスの販売や供給は安定しており、2021年度に急に売れたわけではなく、それまでトップであったCクラスが落ちていった。それが今回のGクラスがベストセラーになった最大の理由ではないでしょうか。
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