ミシュランの最新スポーツタイヤってどんな印象? 注目の「パイロットスポーツ5」を試してみた
先代でも定評のあるウエットグリップにさらに輪をかけた
栃木県にあるテストコース、「GKNpドライブラインジャパン・プルーピンググラウンド」にて、パイロットスポーツ5の試走会が開催されました。
試走車はトヨタ「カローラスポーツ」で、装着タイヤサイズは225/40ZR18(95Y)XLです。
まずはウエットハンドリング路を走行します。ここは細かいコーナーが続く1周およそ1kmのコースで、大小さまざまなコーナーがあり、全周にわたり散水されています。
最初に運転したのは、先代であるパイロットスポーツ4を装着したカローラスポーツ。このタイヤもウエットグリップに定評があるのですが、そのとおり、相当なペースでコーナーに入ってもなかなか滑り出しません。
横方向のグリップだけでなく縦方向のグリップも良く、コーナー手前の直線でハードなブレーキングをしても、滑り出すこともなくきちんと速度を落とします。コーナー立ち上がりの加速も、空転することなく速度を上げていきます。
続いて、新タイヤのパイロットスポーツ5を装着したカローラスポーツに乗り換えます。
先ほど先代パイロットスポーツ4で満足していたウエットグリップですが、新パイロットスポーツ5はそれにひと回り輪をかけてグリップを良くした印象です。同じコーナーに同じ速度で進入しても、新パイロットスポーツ5のほうがドライビングに余裕が出てきます。先ほど乗った先代タイヤのときに比べて、ペースも上がっているのが体感できます。
続いて外周路を走行します。ここでは100km/hでのレーンチェンジや加減速などをおこないましたが、急なレーンチェンジでもスッと決まり、変な揺り戻しなどの余韻を残しません。意のままに、素直にクルマをコントロールできる楽しさを実感します。
スポーツタイヤにコンフォート性を求めるのも酷な話ですが、先代タイヤに比べると新タイヤは「シャー」というパターンノイズ、「ゴー」というロードノイズともに抑えられている感じがありました。少なくとも外周路を走った速度内では、スポーツタイヤに乗っているネガティブな印象はありませんでした。
※ ※ ※
ミシュランのスポーツタイヤらしく、新パイロットスポーツ5もハンドルを切ったときに急にグリップが立ち上がる感じではなく、ハンドル操作の舵角に応じてリニアにグリップが増すイメージです。
なので、とくに国産タイヤメーカーのスポーツタイヤに乗り慣れていると「グリップ感」が薄いという印象を持つ人もいるかもしれません。
ですが実際にタイムを測ってみると、経験上ピーキーなグリップ感を持つタイヤよりも、穏やかなグリップ感のほうが速いことが多い印象です。
運転がしやすく、ウエット路面に強く、さらに低転がりのタイヤ。さらにサイドウオールが黒くてオシャレ…とくれば、パイロットスポーツ5はスポーツタイヤとして相当高いレベルに進化したといえそうです。
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