「急速充電20分」「900km以上走行」日産のEV新時代はもうすぐ来る? 飛躍のカギ握る全固体電池の現在地
日産が「EV普及のゲームチェンジャー」と表現する全固体電池は、どのような可能性を持っているのでしょうか。同社が研究開発の現状を明かしました。
「日産の全固体電池をゲームチェンジャーにする」
自動車用の次世代電池としてグローバルで期待が高まっている全固体電池。
日産は2022年4月8日、この全固体電池について、研究開発の現状を詳しく説明しました。試作品を生産する設備の動画も公開しています。
全固体電池は、トヨタなど自動車メーカーや電池メーカー各社が、量産に向けてしのぎを削っていますが、なぜ日産はこのタイミングで技術詳細を明らかにしたのでしょうか。
日産は2021年11月29日に発表した長期ビジョン「日産アンビション2030」の中で、今後5年間に電動化の技術革新へ総額2兆円を投資すると発表。
全固体電池については、2024年までに横浜工場に試験的なパイロット生産ラインを作り、2028年からの量産を目指すという具体的な日程を公表しています。
一方、世界に目を転じると、欧州委員会(EC)が「2035年までに欧州域内で発売する新車100%を事実上、EVまたはFCV(燃料電池車)とする」との規制強化を発表したことで、ドイツ勢を筆頭に欧州自動車メーカーや自動車部品メーカーの各社はEVシフトに向けて、次世代電池の研究開発を加速させている状況です。
そのほか、アメリカや中国でも国の方針としてEVシフトが鮮明になっています。
そうしたなか、世界に先駆けて2010年に大量生産型のEV「リーフ」の量産に成功した日産としては、次世代EVビジネスでも主導権を握りたいと考えるのは当然でしょう。
日産の技術開発を統括する中畔邦雄(なかぐろ・くにお)副社長は、「日産の全固体電池を(自動車産業界の)ゲームチェンジャーにする」と意気込みます。
具体的な性能目標としては、従来のリチウムイオン電池と比較して、同じ体積で航続距離が2倍、また充電時間が3分の1になるというのです。
これを、「リーフ」のベースモデル(62kWhバッテリー搭載車)のカタログ値をもとに考えると、航続距離はWLTCモード458kmの2倍となる916km、充電量80%までの急速充電時間は約20分という計算になります。
これならば、ガソリン車やハイブリッド車とほぼ同等の使い勝手になるでしょう。
さらに2028年時点で、バッテリーパックあたりのコストは1kWhあたり75ドル(約9300円)を実現するといいます。
ちなみに現在のコストは、その約2倍ともいわれています。また、EV全体のうちバッテリーが占めるコスト割合は3分の1程度とも推察されるため、全固体電池の導入によりEV新車価格も一気に下がることが考えられます。
また、全固体電池は、従来のリチウムイオン電池と比べて熱に対する管理が容易なため、電池パックの冷却装置が不要となります。つまり、電池セル自体の軽量化に加えて電池パック全体でも、大幅に軽量コンパクト化することが可能になりそうです。
そうなると「EVのパッケージングの自由度が上がり、(本格的な)スポーツカー(向け)などにも対応の幅が広がります」(中畔氏)と良いことづくめです。
PHEVとBEVを所有している。 ガソリン価格の高騰で、少し離れた安売り店は曜日によっては数台待ちの行列で、割り込みでけんか腰の醜い争いも。往復と待ち時間も入れると1時間仕事。
これからGSが少なくなっていくと、安売りしなくても客がつくし、ガソリン車が乗りにくくなっていく。急速充電設備はGSのように耐火壁も地下タンクも不要で、商業施設も客引きのために設置していくだろう。当方、自宅は大容量の太陽光発電システムとV2Hで、自宅充電は安く短時間ですむからEVは自給自足が可能で、長距離が不便なので1000㎞程度の高額でもよいから1台と廉価で中距離1台有れば事足りる。期待している。
何時でもどこでも充電できる安心感が得られるまでにどのくらい掛かるのやら。
ハイブリッド車が登場したとき、ディーラーの充電設備が他メーカーの車の人が充電しているから使えないという問題が懐かしいですね。三菱とか自前で用意せずに顧客に日産の充電設備を紹介してたとか日産のディーラーから聞きましたよ。今じゃ自宅に充電設備を持つ家なんて珍しくないんでしょうけど、問題は自宅ではなく借家(アパートなど)の場合ですよね。
EV車の普及には自宅以外の充電設備の普及が必須条件です。ガソリンスタンドが減れば、それだけ石油小売業は充電設備に注力するでしょうけど、電気ですからね。自宅で充電するよりも少し高い程度じゃないと利用者は限られますし、利益が出るのか微妙ですと普及率も伸びないかも。
頑張れ日本メーカー!