秘密の研究施設に「ロードスター」オーナーが集結! 原点は幻の「M2」!? マツダがオフ会開催に協力的な理由
ファンミーティングの原点には、あの「M2」の存在があった!
恒例となっているRCOJのチャリティフリーマーケットなど、このようにファンが主体となったイベントがどういう経緯でマツダR&Dセンター横浜で開催されるようになったのでしょうか。
マツダ本社に聞いてみたところ、なんと「M2」という懐かしい名前が出てきました。
M2は、マツダがユーザーと直接コミュニケーションを取ることで新しい商品企画を創造するために、1990年代に東京都世田谷区に設立された会社でした。
環状八号線沿いにそびえ立つ斬新なデザインのM2本社ビルは、クルマ好きの間で大きな話題になったものです。
しかし、マツダの事業全体がフォードの資本参加によって大きく転換するなか、M2は1991年から1995年までのわずか4年間という短い期間で活動を終えました。
当時、M2に勤務していたマツダ関係者によると、1994年頃、関東地域に点在していたロードスターのファンクラブのリーダーミーティングをM2の会議室を開放して開催したといいます。
これがマツダR&Dセンター横浜でのイベントへとつながる道筋の原点ではないのかと、当時を振り返ります。
M2が休眠した後、1997年夏頃にRCOJの提案で、マツダR&Dセンター横浜で納涼祭を開催。数百人のロードスターオーナーが集まり、横浜花火大会を開発棟の屋上から鑑賞したそうです。
そして、広島本社が関与したユーザーミーティングとしては、広島県三次市のマツダ三次自動車試験場で1999年10月にロードスター10周年記念ミーティングが開催されました。
その後、2009年にロードスター20周年、2017年に三次試験場50周年、そして直近では2019年にロードスター30周年記念イベントが盛大に開催されています。
そのほか、マツダR&Dセンター横浜では、2017年開催の(ソウルレッド外装色のモデルユーザーによる)「クラブ・ソウルレッド」のミーティングや、「RX-8」、「コスモスポーツ」などさまざまなオーナーズミーティングの開催実績があります。
このように、ユーザーに対してマツダR&Dセンター横浜を開放している理由について、同センター幹部が次のように説明してくれました。
「現時点でマツダは、新しいコーポレイトビジョンとして、お客さまとの絆を深め、カーライフを通じてお客さまに輝きを提供することを企業の使命を掲げています。
その原点となった活動が、今回のチャリティフリーマーケットのようなマツダ車とユーザーとが直接つながるという関係性にあります」
マツダが、世界中のユーザーに愛されている企業であるからこそ、その人たちを裏切らず、人生の輝きを提供する商品とサービスを提供する必要があると、マツダ社員一人ひとりが認識しているのです。
そのうえで前出のセンター幹部は、「R&Dセンター横浜にも、機会のあるたびに、できるだけ自由な形でこうして内部に入って頂き、マツダのさまざまな企業活動に直接触れて頂きたい。ここに、さらに多くのマツダユーザーが集まってきてほしいと思っています」と強調しました。
今後も、マツダR&Dセンター横浜でさまざまなユーザーミーティングが継続的におこなわれることを期待したいと思います。
Writer: 桃田健史
ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。
近著に「クルマをディーラーで買わなくなる日」(洋泉社)。
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