企画から半年! 日産が新型「アリア」をわざわざラジコン化したワケは? 小さい車体に四輪制御技術を再現

日産が、新型電動SUV「アリア」に搭載する四駆電動制御システム「e-4ORCE」をラジコンカーで再現しました。このラジコンを体験するとラーメンがプレゼントされますが、e-4ORCEとラジコンとラーメンはどのような関係があるのでしょうか。

暖簾をくぐるとドライビングシミュレーター

 日産が始めたラーメン屋の動画が大きな話題になっています。

 名付けて「e-4ORCE ラーメンカウンター」。

 小じゃれたラーメン屋に入ると、職人気質の店主が精魂込めて作ったラーメンを、e-4ORCEの小型四輪電動車の上に載せ、一気に走らせ、お客の前で絶妙なブレーキングをかけます。

 スープが、どんぶりの中でチャップンと大きく揺れることはありません。麺はシコシコ、深みあるスープ、そして豊富な具材を堪能。キーワードは「ブレない、揺れない」です。

「e-4ORCEラジコンカー」のドライビングシミュレーター
「e-4ORCEラジコンカー」のドライビングシミュレーター

 そんなプロモーション動画を作成した目的は、新型電動SUV「アリア」に初導入する四駆電動制御システム「e-4ORCE(イーフォース)」への認識を、一般ユーザーに深めてもらおうというものです。

 こうしたラーメンと四駆EVとのコラボに驚いたユーザーも少なくないと思いますが、日産はさらに「e-4ORCE ラーメンカウンター」の体験イベントまで実施するというのですから、これまた驚きです。

 日産グローバル本社(横浜市西区)のショールームに到着すると、メインステージには2台の「アリア」の姿が。そしてすぐ隣に「e-4ORCE ラーメンカウンター」が設置されていました。

 暖簾をくぐると、そこにあったのはラーメンカウンター……ではなく、ドライビングシミュレーター。さらにその前には、ラジコンカーの走行コースが出現しました。

 ラジコンカーは、アリアを模した四駆EVです。そのフロントガラス部分に小型カメラがあり、そこからの映像をドライビングシミュレーターのモニターで見ながら、実際にラジコンを走らせるという試みです。

 コースは路面係数(ミュー)を低く、またタイヤも硬めな設定として、比較的滑りやすい走行状態を再現しています。

 早速、体験してみました。

 ポイントは、e-4ORCEのオンとオフで運転感覚がどれだけ変わるのかという点です。

 まず慣熟走行すると、コース全体を大きく8の字で走るイメージだということが分かりました。操作系はステアリングとアクセルのみですが、入力に対するクルマの動きはクイック過ぎず、かといって通信によるタイムラグを感じるほどでもなく、まさに普通のクルマを普段運転しているような感覚に近いものです。

 次に、e-4ORCEのオンとオフを体験します。

 オンの状態では、アクセル全開で丁寧にステアリング操作すると、安定した軌道で周回できました。

 一方、オフの状態では、軌道を外側にはみ出してしまうアンダーステア傾向が出てしまい、アクセルを何度か戻す操作が必要になりました。

 明らかに、オンとオフで走りの違い、そして運転の安心感が違います。

 走り終えると、ラーメン屋の店員の姿をしたスタッフから、日産オリジナルの“本物のラーメン”(しょうゆ味・しお味)をプレゼントしていただきました。できたてホヤホヤではなくレトルトです。自宅でじっくり味わってみたいと思います。

【画像】車メーカーが作ってみた! 本気仕様の四駆EVラジコンと、日産オリジナルラーメン(28枚)

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