マツダ「ロードスター」はなぜ人気? ND史上最軽量の「990S」にも受け継がれた魂とは
2021年年末に商品改良をおこなったマツダ「ロードスター」で、新たに登場したのが「990S」グレードです。車名の由来となる990kgの軽量モデルの魅力はどこにあるのでしょうか。初代ロードスターから25年以上オーナーを続けるモータージャーナリスト、鈴木ケンイチ氏が語ります。
ロードスターの魅力のひとつは軽量さ
2021年年末に発表されたマツダ「ロードスター」の商品改良で、新たにラインナップに追加されたのが、特別仕様車「990S」です。
990Sは軽量なベーシックグレード「S」をベースに、軽量なアルミホイールとブレーキを装着し、ロードスターのコンセプトの根源となる軽量さを磨いたモデルです。
この特別仕様車の魅力は、どこにあるのか。また、そもそもロードスターは、なぜこんなに長い間、高い人気を保ち続けることができているのか。そんな疑問に、25年以上ロードスターのオーナーを続け、実際に990Sを購入した筆者が、その理由を考えてみます。
ロードスターの魅力がどこにあるのかと考えたとき、最初に思い浮かぶのは、1989年に登場した「ユーノス・ロードスター(初代ロードスター)」のカタログに示されたメッセージを思い浮かべます。
それは「だれもが、しあわせになる。」というものです。
ロードスターのコンセプトは手ごろな価格で買える&ライトウェイト・スポーツ&オープンカーというものであり、そのクルマが提供する価値が「だれもが、しあわせになる。」ことだといえるでしょう。
ライトウェイト・スポーツとは文字どおり軽量なスポーツカーのことで、1950年代から1960年代にかけて、おもに英国で隆盛を極めていました。トライアンフやMG、オースチンヒーレー、ロータスなどのメーカーが小さくて軽量で軽快に走るスポーツカーを数多く販売していたのです。
そうしたクルマの多くはオープンカーでした。そのジャンルを1980年代の終盤に、手ごろな価格で復活させたのが初代ロードスターだったのです。
初代ロードスターのエンジンは非力でしたし、装備も貧相なものでした。それでも、エンジンからトランスミッション、後輪のデフまでを、1本のアルミの骨組みで繋げる「パワー・プラント・フレーム」という技術で、ボディ剛性を保ったまま車体を軽くすることに成功します。
これにより、“速い”ではなく、気持ちよく走る「人馬一体の走り」も実現。しかも、オープンカーという気持ち良さもプラスされています。つまり、「ロードスター」は、ゆったり走っても、一生懸命に走らせても、とにかく「気持ち良くて、楽しい!」というクルマになったのです。
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