ノッポ車増えた駐車場の「全高1550mm問題」 SUV全盛期で施設側も対応に追われる? 2mまで対応施設も登場!
最近のクルマは室内空間を確保するために全高が高いものも多くなっています。一方で機械式駐車場では「全高1550mm」という制限を設けられていることが少なくありません。この「全高1550mm」問題はどのような状況なのでしょうか。
SUV&ミニバンが全盛の時代の弊害?「1550mm問題」とは
都市部に多く見られる機械式駐車場ですが、「全高1550mm」という制限が設けられていることが少なくありません。
しかし、SUVやミニバンが全盛となっている昨今では、この数値は過去のものとなりつつあるようです。

世界有数の人口密度を誇ることで知られる日本の都市部では、駐車場の確保が大きな問題となります。
そこで、日本では古くから「機械式駐車場」という独自の駐車システムが発達しました。
機械式駐車場には、大規模商業施設に設置されている大型のものから、住居向けの2層式のコンパクトなものまで大小さまざまな種類が存在します。
機械式駐車場の歴史は古く、日本では1962年1月に日本橋高島屋で初めて採用されて以降、高度経済成長、そしてモータリゼーションの波に乗って日本の都市部各地へと広がりました。
欧米各国と比べて、都市部への人口集中が極端な日本において、土地を有効活用できる機械式駐車場はまさに願ったりかなったりの存在でした。
しかし、近年機械式駐車場について、「1550mm問題」あるいは「ハイルーフ車問題」と呼ばれる問題が発生しているといいます。
機械式駐車場の種類によって入庫可能なサイズは異なりますが、全高については1550mmの制限を設けている場所は少なくありません。
これ以上の全高を持つクルマについては、「ミドルルーフ車」あるいは「ハイルーフ車」と呼ばれ、専用のスペースへ入庫するか、機械式駐車場の利用を断られることがあります。
セダンやクーペのほとんどが全高1550mm以下のため、入庫に際して全高が問題となることはありません。
しかし、近年トレンドとなっているSUVや、ファミリー層に人気のミニバン、あるいは軽スーパーハイトワゴンなどは、全高1550mmよりも高くなることも珍しくありません。
実際に、日本自動車販売協会連合会が発表した2021年の新車販売台数ランキング上位のなかで、全高が1550mmを超えるグレードが存在するのは、「ヤリスクロス(1590mm)」、「ルーミー(1735mm)」、「カローラクロス(1620mm)」、「アルファード(1935mm)」、「ライズ(1620mm)」、「ハリアー(1660mm)」、「ヴォクシー(1895mm)」、「フリード(1710mm)」と全高1550mmを超えるものがかなり多く見受けられます。
かつてのセダンやクーペが全盛だった頃をベースとした基準となる全高1550mmですが、セダンやクーペが下火となり、それに変わって居住性に優れるSUVやミニバンが人気となった昨今では、その基準がもはや意味を成さないものとなっています。













