VW新型「ゴルフGTI」日本上陸! 激進化したホットハッチの代表モデルの走りはどう変わった?

従来モデルに増して操舵に対して正確に応答

 アクセルペダルを踏み込むと、トップエンドにかけて痛快な吹け上がりを楽しませてくれます。

 ただし前輪駆動の2WDなので、空転しないよう発進時から日常的によく使う領域ではあえてトルクを抑えているようで、そのあたりはいずれ日本にもやってくる4WDの新型「ゴルフR」との違いになるはずです。

 エンジン音も独特で、低く太く複雑な響きを持つ4気筒っぽくないエキゾーストサウンドを、“聴く”楽しみもあります。

VW新型「ゴルフGTI」のインパネ
VW新型「ゴルフGTI」のインパネ

 ダイレクト感のある走りと歯切れのよいシフトチェンジはDSGならでは。それでいて湿式多板クラッチのおかげで大きなトルクにも対応できるのに加えて、つながりがスムーズで扱いやすいところもゴルフGTIならではの強みです。

 足まわりの仕上がりも秀逸です。従来よりもさらにローダウンされて低重心を実現しているほか、アダプティブシャシーコントロールの「DCC」は、ひきしまっていながらもよく動いてしなやかに路面に追従し、スポーツモードを選んでも乗り心地が悪くないのも特徴です。さらに、最新世代のDCCはカスタムモードを選ぶとより調整幅が広がり、細かく調整できるように進化しています。

 そしてもうひとつのゴルフGTIの特徴が、左右輪の駆動力を巧みに制御するデバイスという武器になります。

 独自の電子制御式デファレンシャルロック「XDS」に加えて、電子制御油圧式フロントデファレンシャルロックが標準で装備されていて、さらにこれらを統合制御する「ビークルダイナミクスマネージャー」が採用されたことで、これまでにも増して操舵に対して正確に応答してくれる印象となっています。

 この際、DCC装着車は左右輪を独立して減衰力調整をおこなうようになります。これまたダイレクト感があり、ステアリングを通して路面の状態が手に取るように伝わってきます。強力なエンジンとともに、思いどおり操れるハンドリングもまたゴルフGTIをドライブする醍醐味に違いありません。

 ヘッドレスト一体型のトップスポーツシートはサポート性に優れ、攻め気味に走ったときでもしっかりと体をホールドしてくれます。

 ブレーキも高速レンジでの急制動のキャパシティが引き上げられているおかげで、ワイディングでちょっとぐらいペースを上げただけではなんら不安がありません。

 車両価格466万円というプライスは、新型ゴルフとしては高いという印象を受ける人が多いかもしれませんが、このほどの走りを実現し、装備面でも高い付加価値を身につけていながら500万円を切っていると思うと、むしろ割安に感じられてくるほどです。

 ゴルフeTSIやゴルフTDIにも感心したばかりですが、新型ゴルフGTIにはさらに大いに感心させられた次第です。クルマが出るたびに新たな驚きを与えてくれるゴルフGTIは、今回も期待を裏切ることはありませんでした。

VW新型「ゴルフGTI」の走り
VW新型「ゴルフGTI」の走り

Volkswagen Golf GTI
フォルクスワーゲン・ゴルフGTI

・車両価格(消費税込):466万円
・試乗車オプション込価格:525万4000円
・全長:4295mm
・全幅:1790mm
・全高:1465mm
・ホイールベース:2620mm
・車両重量:1430kg
・エンジン形式:直列4気筒DOHCターボ
・排気量:1984cc
・駆動方式:FF
・変速機:7速DSG
・エンジン最高出力:245ps/5000−6500rpm
・エンジン最大トルク:370Nm/1600-4300rpm
・タイヤサイズ:235/35R19(DCCパッケージ装着車)
・WLTCモード燃費:12.8km/L

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