トヨタの「秘策」新ビジネスが始動! 新車工場でリフォームも!? KINTO社長が描く「新しいクルマの売り方」とは

トヨタとKINTOが新サービス「KINTO FACTORY」を始めます。サブスクサービスで知られるKINTOが“第二のステージ”に乗り出すことになりますが、小寺社長はどのような展望を描いているのでしょうか。

肝は中古車のリフォーム

 トヨタとKINTOが2022年1月下旬から始める新サービス「KINTO FACTORY」に、自動車業界の注目が集まっています。

 主なサービス内容は、「アップグレード」と「リフォーム」です。

トヨタ「アクア」
トヨタ「アクア」

 アップグレードは、インテリジェントクリアランスソナーやブラインドスポットモニターの後付けなど、運転支援に関する装備を最新化するサービスです。

 こうした事業は一部、すでにトヨタ販売店でも取り扱っていますが、近い将来に「KINTO FACTORYの事業として一本化を目指し、合わせてサブスク化に持っていきたい」(KINTO小寺信也社長)といいます。

 もう1つのリフォームについては、日系自動車メーカーのみならず、世界的にみても前例がほとんどないビジネスで、トヨタとして新たなるチャレンジとなりそうです。

 今回の発表では、リフォームの具体的なメニューとして、シート表皮やクッション部分、ステアリングホイールの本革への交換など、作業工程や作業時間が比較的短いものを挙げています。

 一方で、こうしたKINTOが関わるリフォーム事業が多岐にわたる可能性があることを、トヨタ自動車側がすでに示しています。

 実は2021年6月11日にトヨタが開いた「未来を拓く大切なものづくり」というオンライン発表会で、チーフ・プロダクション・オフィサーの岡田政道氏が示唆していました。

 KINTO事業で取り扱う中古車について「中古とは思えない質感、あるいは他にはない外観や内装の提供など、お客さまにとって自分だけの1台をお届けする」として、既販車に対するリフォームとパーソナライズについて触れています。

 その際の質疑応答の中で、新車の生産ライン工場に既販車を持ち込んでリフォーム作業などを行う可能性についても指摘しました。

 今回の発表会見で、この点についてKINTOの小寺社長に質問したところ、「(今回提示したようなアイテムは)ユーザーにとって販売店で取付作業をすることの利便性が高い」とした上で、将来的には「大がかりなものについては、トヨタが全国各地に持つサービス分室に持ち込む。または、新車の製造工場内に専用のサブラインを設置する可能性がある」とさまざまな可能性を示しました。

 自動車産業の常識としては、新車を最終組立工場から販売店向けに出荷し、販売店からユーザーに新車が届いた後、そのクルマが自動車メーカーの工場に戻ってくることは基本的にありませんでした。

 年式がかなり古いビンテージカーの領域では、ドイツのメルセデス・ベンツや、日本ではマツダがメーカーによるレストアサービスをおこなっています。一方で、KINTO FACTORYの場合、想定しているクルマは新車販売から10年前後までが主体となるため、単なるレストア事業ではない、まったく新しいビジネス領域と考えるべきだと思います。

 2022年1月下旬のサービス開始時点では、対象車種はトヨタ車が「アクア」「プリウス」「プリウスα」「アルファード」「ヴェルファイア」の5車種、レクサス車が「UX」「NX」の2車種とし、施工店舗はトヨタ車がトヨタモビリティ東京(芝浦店、U-Car荒川店、U-Car足立島根店)とトヨタユーゼック(カーロッソ浜松)、レクサス車がトヨタモビリティ東京(レクサス荻窪、レクサス東京ガレージ荻窪)の6店舗に絞ります。

 小寺社長は「全く新しいサービスであり、まずスモールスタートで顧客ニーズを精査することから始める」とし、状況に応じて今後、展開する車種、アイテム、地域を適宜拡大する予定だといいます。

 また、KINTO FACTORYはまず日本でスタートし、将来的には海外展開も視野に入れていると説明しました。

【画像】カッコいい…全身黒づくめの「プリウス」を見る!(21枚)

会員登録ポイントで豪華賞品ゲット

画像ギャラリー

1 2

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

【NEW】自動車カタログでスペック情報を見る!

最新記事

コメント

本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。

メーカーからクルマをさがす

国産自動車メーカー

輸入自動車メーカー