一方、定年退職後の「アガリのクルマ」としてGT-Rを手に入れるために、若いうちからコツコツと貯金をしてきた場合を想定してみましょう。

　前述の「ピュアエディション」の乗り出し価格1150万円を60歳の時点で保有しているためには、30歳のときから貯金を始めたとして、単純計算で月に約3.2万円、年に約40万円弱の貯金を続ける必要があります。

　ただ、それに加えて、老後の資金なども貯めておかなければなりません。

　仮に、老後の資金として、60歳の時点で2000万円の貯金を用意することを考えると、30歳のときから毎月約5万6000円の貯金をする必要があります。

　ここに、GT-Rの用の貯金を合わせれば、毎月約8万8000円となります。

　そのうえで、子どもの学費や緊急のための資金を貯蓄し、なおかつ住居費や生活費を用意しなければならないため、やはり簡単なことではないようです。

　ただ、もし若いうちからコツコツと貯金をするなら、比較的リスクの低いといわれる積立投資などをおこなうのもひとつの手でしょう。

　前述の例と同様に、30歳から毎月3.2万円を積み立てた場合、想定利回りが堅実な年率3%だったとしても約1865万円、一般的な年率5%なら約2663万円、高利率な年率7%なら約3904万にまで資産がふくれあがります。

　実際にはここから税金が引かれることになりますが、つみたてNISAのような制度を組み合わせれば、税金も最小限に抑えることができます。

　もちろん、投資である以上一定のリスクは存在しますが、レバレッジ取引などのギャンブル性の高い投資に比べれば格段に低リスクであり、また、宝くじが当たることを期待するよりもはるかに可能性は高いといえるでしょう。

＊　＊　＊

　どんな買い方をしたとしても、GT-Rのような高額車を手に入れるのは簡単ではありません。

　だからこそ、しっかりとしたマネープランを考え、戦略的に資産を形成していくことが重要となります。　

　逆にいえば、しっかりとしたプランが組めれば、一般的な会社員でもGT-Rのようなクルマを手に入れることは必ずしも不可能ではありません。