家族のための車だけど走りは妥協しない! 優れた走行性能のファミリーカー3選

1990年代以降、ファミリーカーといえばミニバンが定番となりました。ミニバンは多人数乗車を前提とし、普段使いに適した経済性が優先され、走行性能や運動性能はあまり重視されていません。しかし、ミニバンのなかには走りを妥協しなかったモデルも存在。そこで、優れた走行性能のファミリーカーを、3車種ピックアップして紹介します。

走りを妥協していないファミリーカーを振り返る

 昭和の時代には、ファミリーカーといえばセダン、2ドアクーペ、3ドアハッチバックなど、4人以上乗れればどんなクルマでも成立していました。しかし、1990年代にミニバンの普及が始まると、ファミリーカーの主役はミニバンへと移行し、現在に至ります。

ファミリーカーに適したモデルながら走りの実力も高いクルマたち
ファミリーカーに適したモデルながら走りの実力も高いクルマたち

 近年はミニバンだけでなく、軽ハイトワゴン/トールワゴンやコンパクトカー、SUVもファミリーカーとして人気です。

 今もファミリーカーには明確な定義が存在しませんが、多くの人や荷物が乗せられ、使い勝手の良いサイズ感と低燃費で優れた経済性のクルマが適しているといえるでしょう。

 一方で、とくにミニバンでは走行性能や運動性能といったポイントはあまり重視されていません。これは室内空間の広さを優先したボディ形状や車体の構造から、ある意味仕方のないことです。

 ところが、ミニバンでありながら走りの性能を妥協していないモデルも存在。そこで、優れた走行性能のミニバンを、3車種ピックアップして紹介します。

●スバル「エクシーガ」

エンジンから足まわりまでこだわった3列シート車の「エクシーガ」

 現在、スバルは国内市場で3列シート車をラインナップしていませんが、2008年に、ステーションワゴンタイプの3列シートミニバン「エクシーガ」が誕生しました。

 エクシーガは「レガシィ ツーリングワゴン」で培った技術をフィードバックして開発され、7人がしっかり乗れる居住性と優れた走りを両立したミニバンです。

 外観デザインは、背が高めのステーションワゴンというスタイリングで、腰高な印象はあまりなく、シャープなフロントフェイスから見た目にも走りの良さをアピールしていました。

 内装は、3列目シートもしっかりと大人が座れるスペースを確保。さらに1列目、2列目、3列目と着座位置が徐々に高くなる「シアターシートレイアウト」を採用したことで、すべてのシートで視覚的に圧迫感を感じることのない設計となっていました。

 搭載されたエンジンは最高出力225馬力を誇るパワフルな2リッター水平対向4気筒ターボと、148馬力の自然吸気、さらに2009年には最高出力170馬力の2.5リッターの自然吸気エンジンが追加されました。

 駆動方式はFFとフルタイム4WDが設定され、トランスミッションはターボ車が5速AT、2リッターNA車が4速AT、2.5リッター車はCVTの「リニアトロニック」を設定。

 足まわりはフロントがストラット、リアがダブルウイッシュボーンで、優れた走行安定性と乗り心地を実現していました。

 その後2015年に、エクシーガはSUVテイストの内外装とした「エクシーガ クロスオーバー7」にバトンタッチしましたが、2018年に生産を終了し、スバルの3列シート車は国内市場から姿を消しました。

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●ホンダ「ジェイド」

スタイリッシュなボディはハンドリングにも良い影響を与えていた「ジェイド」

 ホンダは1994年に同社初のミニバン、初代「オデッセイ」を発売し、さらに1996年には5ナンバーサイズのミニバン、初代「ステップワゴン」が登場してどちらも大ヒットを記録。当時、経営状況が悪化していたホンダの救世主となりました。

 その後、ホンダはさらにミニバンラインナップを拡大し、2000年にスポーティかつスタイリッシュな初代「ストリーム」がデビュー。このストリームの実質的な後継車が、2015年に発売された「ジェイド」です。

 ジェイドはもともと中国市場向けに開発されたモデルで、日本では中国に2年ほど遅れてデビューしました。

 外観はスタイリッシュなクーペフォルムを採用したステーションワゴンタイプのミニバンで、当初は6人乗り3列シート車が展開されました。

 ボディサイズは全長4650mm×全幅1775mm×全高1530mmで、3列シート車ながら全高1530mmは異例の低さです。

 この低全高の効果は機械式立体駐車場に対応するだけでなく、低重心化も実現。フロントがストラット、リアがダブルウイッシュボーンのサスペンションと相まって、ハンドリングが高く評価されました。

 搭載されたパワーユニットは発売当初1.5リッター直列4気筒エンジン+モーターのハイブリッドのみでしたが、発売から3か月後には最高出力150馬力を誇る1.5リッター直列4気筒ターボを搭載する高性能な「RS」グレードを追加。

 さらにRSはボディ剛性の向上と専用セッティングのサスペンションを装備し、コーナリング中に前輪のブレーキを制御して車両の動きを滑らかにし、安定感のあるコーナリングを可能とする「アジャイルハンドリングアシスト」を搭載するなど、さらに旋回性能が向上されていました。

 2018年には市場のニーズを反映して2列シートの5人乗り仕様を投入しましたが、販売台数は低迷。2020年にはフルモデルチェンジすることなく生産を終了しました。

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●三菱「デリカ D:5」

ミニバンでは唯一無二のクロスカントリー4WD車に君臨する「デリカ D:5」

 最後に紹介するクルマは現行モデルで、優れた走りはオンロードではなくオフロードで発揮する三菱「デリカ D:5」です。

 三菱は「ジープ」や「パジェロ」といったクロカン車で培った4WD技術を応用して、1982年に1ボックスワゴンのクロスカントリー4WD車「デリカスターワゴン 4WD」を発売。

 デリカスターワゴンは高い悪路走破性能を誇る新ジャンルのクルマとして人気を博し、同様のコンセプトで代を重ね、正統な後継車として登場したのが2007年に発売されたデリカ D:5です。

 そして、2018年11月のマイナーチェンジではフロントフェイスを一新。三菱のデザインコンセプトである「ダイナミックシールド」が取り入れられました。

 また、標準仕様に加え、より都会的な印象の外観デザインを採用した「アーバンギア」が設定され、ユーザー層の拡大もおこなわれています。

 このマイナーチェンジでは、同時に内装の質感の向上と乗り心地やハンドリングも大きく改善され、安全運転支援システムを搭載するなどミニバンとしてのポテンシャルも飛躍的にアップしました。

 エンジンは当初2.4リッター直列4気筒ガソリンのみでしたが、後に2リッターガソリンと2.2リッターディーゼルが加わり、現在は最高出力145馬力の2.2リッター直列4気筒ディーゼルターボに一本化されています。

 トランスミッションは8速ATのみで、全グレードとも3つの走行モードが選択できる4WDシステムを搭載し、さまざまな路面状況に対応した走りが可能です。

 デリカ D:5のイメージチェンジはかなり衝撃的で、当初は賛否両論でした。しかし、基本的なコンセプトである悪路走破性の高さはキープしており、今もアウトドア派のファミリー層から高く支持されています。

 なお、デリカ D:5は生産工場の移転を予定しており、2021年11月現在、一部のグレードや仕様がオーダーできなくなっています。

※ ※ ※

 1990年代から2000年代初頭にかけてミニバンは急速に増え、各メーカーから「雨後のタケノコ」のように新型車が登場するなど、ミニバンブームが起こりました。

 その後、ミニバンがブームからファミリーカーの定番車種へと移行すると多くのモデルは淘汰され、スバルやマツダはミニバン市場から撤退しています。

 今まさにSUVがかつてのミニバンブームと同じ状況で、次々と新型SUVが登場していますが、果たして将来的にどれほどのSUVが生き残れるでしょうか。

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コメント

1件のコメント

  1. ジェイドは良い車ですよ。
    ピックアップして頂きありがとうございます。嬉しいです。