アウディ最高峰EV「e-tron GT」の“インパクト満点な走り”とは? 360kmを高性能EVで走ってみた
新型EV「e-tron GT」で静岡へ。「アウディ最高峰の電気自動車」を謳うこのクルマは、どのような走りを見せてくれたのでしょうか。
2021年の生産枠はすでに受注済み
アウディはこれまで「e-tron」の名のもと、ハイブリッド車(HV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)を含む電動車を手掛けてきました。
電気自動車(EV)については、2020年9月に「e-tronスポーツバック」をアウディブランドとして日本に初導入し、次いで2021年1月にSUVタイプの「e-tron」を発表。
今回の「e-tron GT」は、2021年4月に価格などの概要を発表していましたが、それからおよそ半年後に、いよいよ公道でドライブできる機会がやってきました。
価格は、e-tron GTが1399万円、RS e-tron GTが1799万円とそれなりに高価ながら、今回の試乗会の時点で計150台超の受注があり、すでに2021年の生産枠に達してしまったそうです。
「アウディ最高峰の電気自動車」を謳うe-tron GTは、「R8」に代わって、アウディならではの先進性やプレミアム性といったブランドイメージを訴求する急先鋒としての使命をも負っています。
それを視覚的にも表現した地を這うようなスタイリングも、非常に印象深いものです。5m近い全長と2m近い全幅を持ち、「RS7」よりも20mm低い1395mmの全高とした伸びやかなワイド&ローフォルムに、特徴的なシングルフレームグリルや張り出したブリスターフェンダーを備えています。
上質に仕立てられたインテリアは、低いシートポジションと幅広のセンターコンソールによりドライバーを包み込むようなモノポストデザインです。運転席に座ると立体的な造形のインパネや、ドアミラーに映るリアフェンダーのふくらみが目を引きます。
乗車定員が兄弟車は4人のところ、5人となっているのも特徴です。
大ぶりなヘッドレスト一体型のフロントシートは背面がえぐられているほか、フロア下のバッテリーパックも後席の足元部分はくぼんだ形状にしてスペースを確保するなど、後席乗員の居住性を高める配慮もなされています。
使用素材はサスティナビリティ(持続可能性)が意識されています。ステアリングやダッシュには、アルカンターラやダイナミカなどの合皮を用いているほか、本革を使用していない「レザーフリーパッケージ」の設定、ペットボトルや布の切れ端を元にした「カスケードクロス」、フロアカーペットには漁に使う網などを素材とする布を用いているのも特徴です。
モーターは既出のe-tronと異なる仕組みのシンプルかつ軽量なタイプを採用。
93kWhの容量を持つ駆動用バッテリーは、重量がe-tronよりも約100kg軽い約600kgとなっています。e-tronと同じく4つの冷却回路を備えており、バッテリー、モーター、室内の温度管理をおこないます。
さらに、いち早く採用した800Vテクノロジーは、電流値を下げられるためハーネスから熱が発生しにくく、ハーネスを細くできるため軽量化できるという利点もあります。
これらにより車両重量がe-tron 55では2560kgに達しているのに対し、e-tron GTは2300kg前後と250kgほど軽くなっています。
CD値は0.24と低く、整流効果を高めるディンプルアンダーカバーや高速走行時にせり出す可変式リアスポイラーを備えています。
航続距離はWLTPモードで534kmと、e-tronよりも100kmほど長くなっています。
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