アウディ最高峰EV「e-tron GT」の“インパクト満点な走り”とは? 360kmを高性能EVで走ってみた
360kmをドライブ! スポーティEVの走りは「非常に刺激的」だった
今回はアウディジャパンのある東京都品川区から静岡県静岡市の日本平まで往復約360kmの道のりを、往路はRS e-tron GT、復路はe-tron GTでドライブしました。
e-tron GTには、グランツーリスモとしての価値に加えて、EVの特徴を活かしたスポーティなパフォーマンスが与えられています。
両グレードはそれぞれ最高出力が390kWと475kW、最大トルクが640Nmと830Nm、0-100km/h加速タイムは4.1秒と3.3秒(いずれも前者がe-tron GT、後者がRS e-tron GT)と、数字的にはやはりRS e-tron GTのスペックの高さは目を引くものがありますが、いずれもかなりの実力の持ち主であることには違いありません。
どちらもその走りはインパクト満点です。リニアで力強く、非常に刺激的でホレボレします。モーターの回り方も心なしかエンジンの吹き上がりを表現しようとしたかのような印象を受けたのですが、さらに人工的なサウンドを付与できて、音量としては控えめながら、より走る楽しさを演出してくれます。
リアに2速のトランスミッションを備えていて、普段は2速のところローンチコントロールでは1速を使うようになっており、安全な場所でRS e-tron GTで少し試したところ、やはりその速さには圧倒されます。一方で、ごく普通に走るにはEVならではの滑らかな走りで快適にドライブできます。
ブレーキについても、0.3Gまでは回生でまかなうようになっており、日常走行の9割程度をカバーできるようになっています。オプションのタングステンカーバイトコーティングを施すとブレーキダストを9割も低減できるほか、ブレーキの使用頻度が低いEVで心配な錆を防ぐこともできます。さらに、RS e-tron GTにはより高性能なセラミック仕様も用意されています。
フットワークの仕上がりも、素晴らしいの一言。2300kgほどもある車両重量を感じさせない、意のままの走りには感心せずにいられません。これには重量は大きくても重心高が低く、ややリアよりの良好な前後重量バランスも効いていそうです。
特にエアサスを標準装備し、4輪操舵と可変レシオステアリングからなるダイナミックパッケージプラスを装着したRS e-tron GTの走りは圧巻! オプションの21インチタイヤが路面をしっかり捉える感覚が一段高いところにあり、極めてシャープな回頭性と、挙動を乱すことのない高いスタビリティを巧みに実現しているあたりは、さすがというほかありません。
SUVとスポーツバックのe-tronにも大いに感心しましたが、今回のe-tron GTにもさらに感心させられた次第です。高性能EVの世界が、ますますおもしろくなってきました。
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