ホンダ「フィット」のスポーティグレードってなくして良かったの? 魅力的だった程よい走り系モデルとは
見た目もスポーティさが進化した3代目フィット
2013年に発売された3代目フィットは、2代目のシャープさを推し進めたモデルとなりました。
3代目フィットのスタイルは、同時期の「オデッセイ」にも似た横長のヘッドライトと、ボディサイドに刻まれたキャラクターラインが特徴で、これまでのモデルよりもスポーティな印象となっています。

搭載されるエンジンはDOHC4バルブ直噴式に変更され、132馬力にパワーアップ。MTも設定されており、標準グレードは5速、RSは6速を採用しています。
一方でハイブリッドシステムは、これまでのIMA式から自動変速の7速デュアルクラッチシステムと組み合わせる「i-DCD」方式に変更されたために、2代目モデルのIMA+MT仕様は廃止されました。
ガソリン車のRSは2代目以上の走りの性能を見せる一方で、ハイブリッド車のRSは7速デュアルクラッチシステム(DCT)の俊敏な変速と、トルクコンバーターなどを介さないダイレクトなアクセルレスポンスを特徴とし、他社のハイブリッドモデルでは見られない、スポーティな走りを実現しました。
しかし、3代目フィットの特徴のひとつであった7速DCTのリコールが相次ぎ、販売の上ではつまずいてしまいます。
3代目フィットは2回のマイナーチェンジがおこなわれ、変更点のなかでも、とくにフロントバンパーやフロントグリルの形状が変更されたことにより、シャープな印象をより強めました。
変更はボディ構造にもおよび、最終モデルではボディ剛性も強化。高い完成度のスポーティハッチバックになりました。
※ ※ ※
2020年に登場した4代目フィット(現行モデル)は、初代モデルを思わせる柔らかいイメージに変更されました。
前述のように5つのスタイルをラインナップするなど、従来モデルとはひと味違った魅力を持つモデルへと進化していますが、コンパクトカーのライバルとなるトヨタ「ヤリス」や日産「ノート」と比べると、販売面でやや苦戦しているような印象を受けます。
フィットは登場から20年が経過し、イメージも走りも落ち着てしまったのかもしれません。
スポーティグレードの1.5TもRSも、それほど販売台数が多いモデルではありませんでしたが、フィットに走りの良さと活発さを感じさせる、イメージリーダーとしての存在になっていました。
スポーティグレードの消滅だけがフィット苦戦の原因とはいえませんが、かつてのようなスポーティグレードが復活することを願ってやみません。



































