トヨタ新型SUV「bZ4X」日本仕様公開! スバルと共同開発も「トヨタらしさ」健在か 斬新ハンドル採用で2022年年央発売

トヨタは、2021年4月19日に世界初公開した新型EV「bZ4X(ビーズィーフォーエックス)」の詳細ならび日本仕様の情報を同年10月29日に明らかにしました。スバルと共同開発となる新型bZ4Xですが、どのような部分に「トヨタらしさ」が盛り込まれているのでしょうか。

スバルと共同開発のトヨタ新型EV「bZ4X」 トヨタらしさはどこに?

 2021年10月29日、トヨタは、新たな電気自動車(EV)の「bZシリーズ」第一弾となるSUVの新型「bZ4X(ビーズィーフォーエックス)」の詳細情報を公開しました。
 
 電動化が加速するなかで、トヨタのbZシリーズとはどのような特徴をもつEVなのでしょうか。

新型SUV「bZ4x」はEVブランド「bZシリーズ」の第一弾となるモデルでスバルとの共同開発となる(画像はプロトタイプ)
新型SUV「bZ4x」はEVブランド「bZシリーズ」の第一弾となるモデルでスバルとの共同開発となる(画像はプロトタイプ)

 トヨタは、1997年に世界初の量産ハイブリッド車(HV)となる初代「プリウス」を発売して以降、HV/PHEV/EV/FCVという電動車のフルラインナップ化を推し進め、さまざまな選択肢を展開しています。

 2020年末時点では、乗用車・商用車合わせてHV45車種・PHEV4車種・EV4車種・FCV2車種の計55車種の電動車をラインナップ。

 また、今後の電動車フルラインナップ化の一環として2025年までにEV15車種を導入する計画を推進中となり、そのなかの新シリーズとしてbZシリーズを7車種導入する計画です。

 bZシリーズは、中国・米国・欧州・日本など、EVの需要や再生可能エネルギーによる電力供給が多い地域で、多くのユーザーに受け入れられることを目指しています。

 第一弾となる新型bZ4Xは、EV専用プラットフォーム「e-TNGA」をスバルと共同開発し、低重心・高剛性化したミディアムセグメントSUVです。

 デザインは、「Hi-Tech and Emotion」をテーマに、EVの先進感やSUVらしい力強さを両立したスタイリングを表現しています。

 フロント部分では、従来車のラジエータを象徴したセンター強調のテーマと異なる、空力アイテムが織り込まれたコーナー部と、上下に薄いバンパー形状によりEVの独自性を表現。

 リア部分は、コンビネーションランプ、バックドア、バンパーをタイヤへ向かう台形のテーマとし、低重心で力強いスタンスを実現しています。

 インテリアは、EV専用プラットフォームによる、ひとクラス上の広い室内空間として、Dセグメントセダン並みのタンデムディスタンス(前後シート間距離)1000mmを確保。

 運転席は、ステアリングホイールの上側を通してメーターが見えるように配置したトヨタ初のトップマウントメーターを採用することで、視線移動を少なく遠視点化し、見やすさを重視しました。

 また、ステアリングコラムを含めた運転操作系を操作しやすいようモジュール化、手元からメーターの視線誘導を促す羽衣のような形状を採用しています。

 なお、ステアリングには2種類のタイプを設定しており、ひとつはステアバイワイヤシステムと異形ステアリングを組み合わせたトヨタ初のワンモーショングリップ。もうひとつは、従来車と同様の丸形ステアリングです。

 ステアバイワイヤシステムを採用することで、ステアリングの回転角度を持ち替え不要な約+-150度に設定し、Uターンや車庫入れ、ワインディングロード走行時などでドライバーの負荷を大きく低減します。

 トヨタによると「ステアバイワイヤシステムは、まず中国市場向けとし、その後はその他市場向けに。2022年の発売以降に順次装着車を設定します。なお基本的には、同じ市場にふたつのステアリングを設定します」と話しています。

 足元の広さも、前後ともミディアムセグメントSUVクラストップレベルを誇ります。

 また、低い位置のインストルメントパネル、大開口パノラマルーフ(装着車を設定)により解放感を創出したほか、落ち着いた室内を演出するファブリック張りのインストルメントパネルを採用。

 マルチメディアシステムとしては、クラウド上の地図情報を活用し、交通情報や駐車場の空き情報をリアルタイムで取得するコネクティッドナビを採用しています。

 また、通常のナビゲーション機能に加え、移動支援、充電施設表示、航続、可能エリア表示などEV専用の機能にも対応。

 安全面では、最新の「Toyota Safety Sense」の機能として、ミリ波レーダーおよび単眼カメラの検知範囲拡大により、各機能の性能向上や一般道での支援をおこなう新機能を追加。

 そのほか、高度運転支援技術「アドバンスト パーク(リモート機能付き)」を採用しています。

 bZシリーズならび新型bZ4Xについて、トヨタZEVファクトリー・チーフエンジニアの豊島浩二氏は次のように説明しています。

「bZシリーズでは、『人中心の考え方』に基づき開発しています。地球環境問題の解決に向けたゼロエミッション車での貢献に加えて、移動やドライビングをより楽しくスムーズにすることでお客さまにゼロを超えた新たな価値を創出します。

 これまでトヨタは、1997年にプリウスを出して以降、電池や制御の安全性のノウハウを貯めて、HV、PHEV、FCV、EVを展開してきました。

 実際に、日本では『プリウスPHV』、中国では『C-HR』などでEVを出したほか、最近では歩行領域でのEVも登場しています。

 このように電動化戦略を展開していますが、まだ、EVなどクルマ単体ではビヨンドゼロに至っていません。

 そのためクルマだけではなく、社会、エネルギーを一緒にやっていくために、bZシリーズを展開しました。

 bz4xの名前の由来は、『bZ』はビヨンド・ゼロ(ゼロを超えて)という意味ですが、『4』はサイズ、『X』は形を表しており、bZ4Xは中心に位置するモデルです。

 今後は複数のボディタイプを設定したさまざまなEVが登場します。

 bZ4Xは個で戦うのではなく、bZシリーズとしてチームで戦っていくことで、カーボンニュートラル社会の実現を目指していきます」

 また他社のEVとの差別化ならびトヨタらしさという部分において、トヨタZEVファクトリー・主査の井戸大介氏は次のように述べています。

「差別化という意味では、とくに意識しておらず、ユーザーに寄り添うクルマを作るのが目的です。

 トヨタらしさとしては、長年電動車を作ってきたこともあり、いたずらに航続距離を伸ばすことや、価格を上げることなく、これまでのノウハウを生かしたEVを提供するがトヨタらしさだと思います。

 また、トヨタは電池も作っているため、電池の寿命を伸ばすことで、長く使ってほしいという想いもあり、電池を作るのもカーボンニュートラルの課題です。

 そういう意味でも、トヨタは他社と違い長年の電動車生産の責任をもっています」

【画像】これが来年発売するトヨタ新型SUV「bZ4X」だ! トヨタらしさはどの部分?(30枚)

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8件のコメント

  1. このバッテリー搭載量でアリア並の航続距離を謳うのは電費偽装だろうか。
    トヨタ車はカタログ燃費で無い車が多いから。
    まだ90㎾h搭載技術は無いみたいだ。トヨタのBEVは実績が少ないし、様子見。
    90㎾h搭載車は2025年向けのコンセプトカーで発表されていたからそこまでお預けだろう。
    それより急速充電設備が自社ディーラーにほとんど設置されていないのは何故?
    日産のディーラーでいれろってか?馬鹿にしている。

    • トヨタはとりあえず出す的な感じでしょ?笑
      主に水素エンジンでいいと思う。

    • N産の方がより燃費でない車多いけど…
      電費なら一日の長があるからとは思えないな。
      そもそもディーラーで急速充電するのがありきでは普及しないし、
      日産等のBEV先行推進ディーラーが設置するのは、
      販売管理上どの道ディーラーには設置しておく必要あるし、
      普通充電が一般家庭に普及するまでの事前策に過ぎないだろ、
      それにN産リーフらのバッテリーは空冷式故に熱劣化耐久性に問題があるので
      海外の有識者らからは購買リストから外されてるから比較する意味無し。

  2. プロトタイプのハンドルでないと、買う気が失せる。あのハンドルであのインパネだからこそ欲しくなったんだから、フツーの丸ハンドルなんか買わないよ。

  3. めちゃええやん、どう見てもエレクトロCarやな。
    トヨタはカッコええな。ガソリン高の現在異常やで
    早よデビューさせててーな。トヨタはん待ってまっせい。

    • 与太勝手なんぼだぜ

  4. トヨタはやっぱりかっこいい車出すなあ。世界の車を斬新さでリードしていた70年代、日産も妥協せずに空力なんか気にせずにかっこいいい車で張り合っていたころが懐かしい。あの頃のドイツ車なんてめちゃクチャダサかった。トヨタとスカイラインGTが世界の中でも最も洗練されていた。ドイツ車の陳腐化したデザインはもういい、妥協せずに勝手な夢を描いて再度世界の車をリードするデザインをしてほしいな

  5. トヨタは70年代は世界をリードするくらいの、いいデザインの車を出していた。今再度、スバルと組んで斬新なデザインの車が出てきた、うれしい。空力に影響されなめらかになった金太郎あめのような似通ったものでなく、妥協せずに夢を感じる車を出してほしい、期待する。

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