苦手な人が多い「バック駐車」なぜ日本で主流? 後退で上手に駐車するコツとは
日本では圧倒的にバック駐車が多いのですが、苦手な人もいるでしょう。一方でアメリカなどの海外では頭から突っ込む前向き駐車が主流ですが、なぜ日本ではバック駐車が主流となっているのでしょうか。教習所の元教官にバック駐車が上手にできるコツを聞いてみました。
日本は1台分の駐車スペースが狭いことが関係?
クルマの後方から駐車スペースに入れる「バック駐車」は苦手な人もいるでしょう。混雑しているときに限って入れにくい場所しか空いてなくて、さらに慌ててしまうということあります。
日本は、コインパーキングでも大型商業施設の駐車場などでもバック駐車をしているクルマが圧倒的ですが、海外に目を向けると、アメリカなどでは原則的に頭からスペースに突っ込む、いわゆる「前向き駐車」が主流です。
アメリカの地方都市などの大型商業施設ではバック駐車を見かけないばかりか、住宅の駐車方法も前向き駐車がほとんどです。
なぜ日本ではバック駐車をすることが多いのでしょうか。
日本と海外での「後ろ向き」「前向き」駐車の違いは複数の事情が考えられますが、まずは1台ごとの駐車スペースの広さの違いによるところが大きいといわれています。
日本と比べると、アメリカはすべてのスペースに余裕があります。日本の道路事情に近いのはニューヨーク(マンハッタン島)くらいで、それ以外の都市は区画整理で住宅エリアと商業エリアが分かれており、十分すぎる道幅が確保されています。
アメリカの典型的な住宅街の一方通行の道路の両脇に大きなクルマが両脇に停まっていたとしてもクルマ2台がすれ違うことができる広さがあり、そんな広いスペースがある地域では、わざわざピッタリとした駐車スペースに入れる必要がないのです。
一方で日本の駐車場は、1台ごとのスペースがギリギリに作られているケースが多いです。
しかも年々クルマが大型化しているにもかかわらず、駐車場のサイズはそのまま。そうなると、細かい操舵で駐車枠にしっかり収める必要性があるというわけです。
そこでバック駐車の出番になります。
クルマはその構造上、進行方向の前方で操舵すると安定性が増す代わりに細かい操舵がしにくく、逆に進行方向の後方で操舵すると速度によって不安定になりやすい代わりに低速でも鋭角に向きを変えることができるようになっています。
日本は駐車スペースや駐車枠のみならず、通路スペースもかなり狭く、ここにピッタリ収まるためには、繊細な操舵ができるバック駐車のほうが都合が良いということなのです。
そのため、日本の教習所では前向き駐車を教えずに、バック駐車につながる「(バックからの)方向変換」や「(バックからの)縦列駐車」を教えているのです。
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店舗や駐車場のレイアウトによっては前向き駐車の場所もあります。これは車両後方についているマフラーからの排気音や排気ガスによって近隣の住人に迷惑がかかるのを避けるためで、あえて前向き駐車としているケースがほとんどです。
ちなみに「前向き駐車でお願いします」と表記された駐車場でバック駐車しても法律上は取り締られることはありませんが、迷惑車両扱いされてしまう可能性が高いでしょう。
前向き駐車すれば、
今度は出る時に注意して出なくてはならず
そちらもより苦手な人多いんでしょう。
駐車枠が狭く交通量の多い道に隣接するところが多い日本だから
バック駐車の方がまだやりやすいという事でしょうし、
日本人気質として
面倒な事は後でやらないといけないなら先に済ませ安心したい
という思考も影響している可能性はあると思います。
アメリカ30年在住です。アメリカで前から駐車する1番の理由は、殆どの州で車の前側のナンバープレートを義務化していないからです。つまり、車の後ろ側しかナンバープレートを付けていない車が多く、バック駐車してしまうと駐車時にナンバーの確認ができないからです。週や群によってはバック駐車禁止のところもあります。