苦手な人が多い「バック駐車」なぜ日本で主流? 後退で上手に駐車するコツとは
教習所の元教官が教える「バック駐車」のコツとは
日本ではバック駐車の機会が多いわけですが、このバック駐車が難しいのは誰もが認めるところでしょう。それというのも「原則的にクルマは前方に進むように設計されているから」といえます。
実際、操舵を担うハンドルや各種情報が表示されるインパネ、シートなどすべて前向きに設定されており、その逆へ進むのですから、感覚が掴みにくくバックが苦手なのは当然です。
そこでどうやったら上手にバック駐車できるのか、都内の教習所で教官として勤務経験のあるS氏に「バック駐車のコツ」を聞いてみました。
「多くの人が教習所で方向変換に苦労したと思いますが、その理由は駐車スペースに対して垂直気味の状態からハンドルを切るからです。
進行方向の後方での操舵は確かに切れ角も大きくなるため回転半径も小さくできますが、目視で後方は見にくく、かつサイドミラーで隣のクルマとの距離も判断しなければなりません」
S氏が教えてくれたコツは「駐車スペースに入る前にどれだけ向きを変えられるか」ということ。向きを変えるとはどういう意味でしょうか。
「複数の車両が停まっている駐車場をイメージしてもらいたいのですが、左側に空いている駐車スペースを発見し、両脇の枠内にクルマがあるとします。
バックで駐車しようと思ったら、駐車スペースより車両半分くらいは前に出してからバックしますよね。
このとき、そのまま垂直方向に前に出るのではなく、右にハンドルを切って車両を斜めにするということです。
進入する前にある程度は駐車スペースに入りやすい角度をつけておくとハンドル操作も少なくて済み、サイドミラーで左側の車両との距離も見やすくなります」(教習所の元教官 S氏)
左側にある駐車スペースの方向に、(バック駐車するために)後ろ向きに進む角度を事前に減らすということです。
確かに最初から角度がついていればサイドミラーに左隣のクルマも見えるはず。ここで真っ直ぐ下がってもぶつからない距離感が確保できていれば、あとはゆっくりハンドルを戻す感覚で枠内に収めやすくなるわけです。
「あとは前後のタイヤの軌道の違いや内輪差にも注意してください。バック走行時は鋭角にハンドルが切れるので、今度は切れすぎにも注意しましょう」(教習所の元教官 S氏)
そのほか、元教官のS氏が力説していたのが「目視の重要性」です。
最近ではバックカメラ装着車も増えましたが、あくまでもカメラを通しての視点であり、かつ視野角が狭いので死角も多いとされています。
しかもモニターはセンターコンソールやダッシュボードなど前方に装着されており、前を見ながらバックするため過信は禁物だといいます。
「バックカメラは目視できない死角を補助してくれるものとして、実際には後方を目視しながらバックするほうが安全だと思います。
とくにミニバンなど大型のボディのクルマはボディの四隅がカメラでは見えないので、障害物にぶつけて凹んだバンパーを見かけます。あれもしっかり目視すれば防げたのではないかと思っています」(教習所の元教官 S氏)
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現在はほとんどのクルマがAT車なので、アクセルを踏まなくても進む「クリープ現象」を上手に活用し、足はブレーキペダルにのせていつでも止まれるようにしておくのも接触事故を防ぐコツなのだそうです。
後方を目視しながらのバック駐車は体を斜め後ろに捻った体勢になるわけですから、普段からしっかりペダルが踏める着座姿勢も大切になりそうです。
前向き駐車すれば、
今度は出る時に注意して出なくてはならず
そちらもより苦手な人多いんでしょう。
駐車枠が狭く交通量の多い道に隣接するところが多い日本だから
バック駐車の方がまだやりやすいという事でしょうし、
日本人気質として
面倒な事は後でやらないといけないなら先に済ませ安心したい
という思考も影響している可能性はあると思います。
アメリカ30年在住です。アメリカで前から駐車する1番の理由は、殆どの州で車の前側のナンバープレートを義務化していないからです。つまり、車の後ろ側しかナンバープレートを付けていない車が多く、バック駐車してしまうと駐車時にナンバーの確認ができないからです。週や群によってはバック駐車禁止のところもあります。