ついに新型「シビック タイプR」がお披露目! 歴代の中でも異色の「タイプR」3選

2021年10月4日に、アメリカホンダは新型「シビック タイプR」の画像を世界初公開しました。ボディ全体がカモフラージュされた状態で、スペックなども明かされていませんが、テストは順調に進んでいるようです。そこで、これまで販売されたタイプRシリーズから、異色のモデルを3車種ピックアップして紹介します。

歴代モデルのなかから異色の「タイプR」を振り返る

 ホンダが誇るハイパフォーマンスモデルといえば、「タイプR」シリーズです。1992年に初となる「NSX タイプR」が登場し、続いて1995年には「インテグラ タイプR」、1997年に「シビック タイプR」が発売され、その後もタイプRシリーズがリリースされてきました。

日本では販売されなかった異色のタイプRたち
日本では販売されなかった異色のタイプRたち

 そして、2021年10月4日に、アメリカホンダは新型「シビック タイプR」の画像を世界初公開。2022年発売とアナウンスされており、ドイツのサーキットであるニュルブルクリンクでのテストの準備が整ったという発表でした。

 新型シビック タイプRの画像ではボディ全体がカモフラージュされており、詳細なスペック等も明らかになっていませんが、これまで以上のパフォーマンスに期待できます。

 さて、これまでに登場したタイプRシリーズは複数存在しますが、なかにはちょっと変わったモデルも存在。

 そこで、異色のタイプRを、3車種ピックアップして紹介します。

●アキュラ「インテグラ タイプR」

従来モデルのフロントフェイスのまま発売されたアキュラ「インテグラ タイプR」

 2021年8月13日に、アメリカホンダはアキュラブランドから「インテグラ」が復活すると発表しました。発売は2022年春を予定しているという情報以外は無くスペックも明かされていませんが、ヘッドライトまわりとリアまわりのティザー画像が公開され、5ドアハッチバッククーペとなると予想されます。

 このインテグラは、もともと北米では「クイント インテグラ」がアキュラ インテグラとして販売されていました。

 その後も日本と同じく代を重ね、3代目ではアメリカでもタイプRが登場。

 エンジンは1.8リッター直列4気筒VTEC「B18C型」は同じですが、日本仕様が最高出力200馬力だったのに対し、北米仕様では198馬力とわずかにデチューンされ、装備も異なり、エアバッグを標準装備し、レカロ製シートは採用されず、リアワイパーの装着も可能でした。

 さらに日本仕様と大きく異なるのがフロントフェイスで、北米仕様では従来の丸型4灯式ヘッドライトのままとされていました。

 その後、次世代のモデルはアキュラ「RSX」に改名されましたがタイプRは設定されず、現在までアキュラブランドではインテグラ タイプRは唯一の「タイプR」となっています。

 なお、当時アメリカではインテグラ タイプRは日本ほどの人気とはならなかったようで、販売台数は日本より圧倒的に少なく、今では希少なモデルとして北米で異常なほど価格が高騰しており、直近のオークションでは7万ドル(日本円で約760万円)以上の高値で落札された実績があります。

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●ホンダ「アコード タイプR」

欧州向け「アコード」をベースに仕立てられた高性能セダンの「アコード タイプR」

 前述のとおり、これまでNSX、インテグラ、シビックと3モデルにタイプRが設定されてきましたが、実は第4のタイプが存在します。

 それが、1998年に欧州のみで販売された「アコード タイプR」です。

 アコード タイプRは6代目アコードの欧州仕様がベースで、外観では定番の大型の専用リアウイングを含むエアロパーツを装着。

 エンジンは最高出力212馬力を発揮する2.2リッター直列4気筒DOHC VTECを搭載し、トランスミッションは5速MTのみです。

 また、サスペンションが強化され、ヘリカルLSD、デュアルマフラーを装備し、内装ではレカロ製シート、MOMO製ステアリングホイール、アルミ製シフトノブなどが採用されるなど、仕様的には日本の初代「アコード ユーロR」とほぼ同等で、国内のタイプRシリーズほどハードなチューニングは施されていません。

 日本ではユーロRがヒット作になりましたが、欧州版のアコード タイプRはヒットすることなく、2002年に7代目アコードの登場と同時に消滅してしまいました。

 なお、日本でユーロRの発売は2000年ですから、タイプRの方が先にデビューしていたことになります。

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●ホンダ「シビック タイプR スポーツライン」

日本とは異なる仕様が展開された欧州モデルの「シビック タイプR」

 現状で最後のタイプRといえば2017年に発売された「FK8型」で、2020年10月にはマイナーチェンジモデルと、最後の限定車として「リミテッドエディション」が発表されました。

 そして、発売とほぼ同時に受注を終えるほどの争奪戦となったFK8型シビック タイプRでしたが、日本だけでなく北米や欧州でも最終モデルは争奪戦が繰り広げられました。

 この最終モデルでは日本仕様と欧州仕様で細部が異なっており、なかでもユニークなグレードとして欧州専用の「シビック タイプR スポーツライン」がラインナップされたことが挙げられます。

 スポーツラインの外観は、標準モデルに装着される大型リアウイングがローデッキリアスポイラーに変更され、アグレッシブすぎないスタイリングに仕上がっています。

 また、タイヤも標準モデルは20インチのコンチネンタル「スポーツコンタクト6」が採用されていますが、シビック タイプR スポーツラインには快適性を重視した19インチのミシュラン「パイロットスポーツ4S」が採用されました。

 ほかにも欧州仕様では、車内で聞こえるエンジン音を走行モードによってオーディオのスピーカーを介して変化させる機能の「ASC(アクティブサウンドコントロール)」が搭載され、標準装備のディスプレイオーディオには「パフォーマンスモニター/ログモード/オートスコアモード」などの操作と表示が可能でした。

 さらに、さまざまな走行パラメーターを記録する専用のデータロガー「Honda LogR」を装備し、サーキット走行などでの走りを分析できるなど、ドライビングスキルの向上をアシストしました。

※ ※ ※

 冒頭にあるとおり、今回公表された新型シビック タイプRのボディは全面的にカモフラージュされています。

 このカモフラージュの柄は詳細なボディ形状を隠すことが目的で、近年は白黒のうず巻き模様やドット柄、カラフルな色のモザイク模様などが一般的です。

 ところが、新型シビック タイプRでは赤い「R」のロゴと、歴代シビック タイプRのシルエットを図案化した柄でカモフラージュされています。

 これは、新型シビック タイプRがシリーズの集大成となることを意味しているのか、などの憶測もありますが、いずれにしても遊び心があってとてもユニークです。

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