アルミ製のナンバー「封印」何のため? 「盗難車」防止にも役立つ? その目的とは

クルマのリア側に設置されているナンバープレートには、「封印」と呼ばれるアルミ製のキャップがつけられています。封印には、登録した各都道府県の運輸支局の頭文字が刻印されていますが、一体どのような役割をもっているのでしょうか。

リアのナンバープレートに輝く「封印」 その意味とは

 公道を走行するクルマの前後にはナンバープレートの設置が義務づけられています。そして登録車の場合、リアのナンバープレートを固定している左側のボルトには「封印」と呼ばれるアルミ製のキャップがつけられています。

 封印について、SNSでは「封印は知ってたけど意味は知らなかった」という書き込みをするユーザーも見かけますが、封印にはどのような効力があるのでしょうか。

ナンバープレートについている「封印」の例
ナンバープレートについている「封印」の例

 ナンバープレートおよび封印については、道路運送車両法第11条の「自動車登録番号標の封印等」において、「自動車登録番号の通知を受けたときは、当該番号を記載した自動車登録番号標を国土交通大臣又は第二十五条の自動車登録番号標交付代行者から交付を受け、国土交通省令で定めるところによりこれを当該自動車に取り付けた上、国土交通大臣又は第二十八条の三第一項の規定による委託を受けた者の行う封印の取付けを受けなければならない」と定められています。

 ここで記されている「第二十八条の三第一項の規定による委託を受けた者」とは、「登録自動車に取り付けた自動車登録番号標への封印の取付けを国土交通省令で定める要件を備える者」のことであり、具体的には、運輸支局にて封印の取り付けをおこなう執行官などを指しています。

 さらに、封印の取り付けは、運輸支局の執行官以外にも、国が委託した封印受託者がいる自動車販売店や整備工場などでもおこなわれています。

 封印は、このように許可を得た執行官や封印受託者が「車検証」「車体番号」「ナンバープレート」の3点を照合したうえで、はじめて取り付けがおこなわれる流れになっています。

 そんな封印には、取り付けの位置も細かく定められており、道路運送車両法施行規則第8条において「封印の取りつけは、自動車の後面に取りつけた自動車登録番号標の左側の取りつけ箇所に行うものとする」と記されています。

 では、取り付けの位置や担当者が法律で定められているナンバープレートの封印ですが、実際にはどのような役割をもっているのでしょうか。

 国土交通省自動車局の担当者は、封印の役割について以下のように話します。

「封印には、その車両が運輸支局に登録されている、すなわち国から公道の走行を認められているということを証明する役割があります。

 さらに、登録が正式におこなわれたうえで、ナンバーとクルマの車台番号が一致していることを表しているものでもあります。また、クルマの盗難やナンバープレートの不正な取り外しを防ぐという側面もあります」

 なお、封印の表面には、東京都なら「東」、愛知県なら「愛」、大阪府なら「大」というように、地方運輸局に属する各運輸支局の都道府県の頭文字が刻印されています。

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