なぜ3割減? 岡山「用水路事故」大雨時気づかず転落相次ぐ 対策効果いかに

「脱・人食い用水路」 具体的な対策方法とは?

 こうした用水路の危険性に伴い、2015年には岡山県、市町村、県警などの県内関係機関が集まり、「用水路等転落事故防止対策検討会議」が開催。

 用水路の転落事故状況や、危険箇所などの状況を把握し、今後の対策についての検討が話し合われました。

 2016年には「ストップ!用水路転落」をスローガンに掲げ、危険箇所と思われる市内の用水路2507箇所をピックアップ。

 転落防止柵や、柵の設置が困難な場合に視線誘導標(デリネーター)と呼ばれるポールの設置、そのほか大型反射材やラバーポール、道路照明灯などの設置がおこなわれました。

 この対策は、2021年3月までに1904箇所と全体の75%に対策を講じたといいます。

 こうした対策も影響し、今回の用水路事故の減少につながったといえるでしょう。

柵が設置されていない用水路は、増水時には道の境目がわからなくなってしまう恐れがある
柵が設置されていない用水路は、増水時には道の境目がわからなくなってしまう恐れがある

 今回、用水路事故が3割減ったことについて、前出とは別の岡山市道路港湾管理課の担当者は以下のように話します。

「2016年から対策をおこなって、若干ながら効果があったと思っています。

 ただし、88件の救急出動件数が多いのか少ないのかというと、大きく減少したわけではないので、継続してやっていく必要があると思っています」

※ ※ ※

 今後、残りの603箇所については2022年度末までに対策を講じる予定とされています。

 また、用水路対策の今後について、前述の道路港湾管理課の担当者は、「防護柵など対策をおこなうことで、用水路を使う事業者への弊害も出てきています。今後は、用水路利用者への考慮もしたうえでの継続的な対策を検討しています」と話しています。

 今後も、継続的な施策により加え、さらに用水路事故が減っていくための取り組みがなされることが期待されます。

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Writer: Peacock Blue K.K.

東京・渋谷を拠点とするオンライン・ニュース・エージェンシー。インターネット・ユーザーの興味関心をひくライトな記事を中心に、独自の取材ネットワークを活用した新車スクープ記事、ビジネスコラム、海外現地取材記事など、年間約5000本のコンテンツを配信中。2017年創業。

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