氷上ブレーキ性能8%向上!グッドイヤーの最新スタッドレスタイヤ「アイスナビ8」をインプレッション

日本の開発拠点が日本の道路環境にあわせて開発したスタッドレスタイヤ

 まずは圧雪路面を走ってみると、とても頼りになる感覚がありました。ハンドル操作に対してしっかりと反応し、そのままハンドルの修正が少ないままクルマが曲がってくれる印象です。これは接地面の横方向の溝をジグザグに刻んだことで、雪をしっかりと掴む能力が増した設計が効いているのでしょう。

 そしてもっとも気になるのが滑りやすいアイスバーン(凍結路)での走りですが、結論からいえば納得の性能でした。ブレーキを踏んだ時でもグググッとタイヤがしっかり路面をひっかく感覚が強く、かなりグリップしながら止まってくれます。

 今回の試乗車はFFのプリウスでしたが、雪が踏み固められアイスバーンに近い路面での坂道発進でも「こんな路面でも発進できるのか!」と思うほど対応してくれます。もちろん強くアクセルを踏み込めばトラクションコントロールが作動するのですが、それでもアクセルを踏み続ければグイグイと坂を登っていってくれます。

 冬の道では、道路が白くて見た目では圧雪路面かと思いきや、実は雪の下が氷でとても滑りやすく危険な路面という状況も多々あります。たとえば雪道で曲がっているときに、突然そんな状況になると急にタイヤが滑って挙動が乱れることもありますが、ICE NAVI 8ではそんな路面でも急激にグリップを失うことはなく、とても安心して運転することができました。

グッドイヤーの最新スタッドレスタイヤ「アイスナビ8」
グッドイヤーの最新スタッドレスタイヤ「アイスナビ8」

 また、滑りやすい凍結路面での旋回中に、ハンドルを切り足すなどの操作をした時もちゃんと反応してくれる懐の広さも印象的です。凍結路面での旋回能力は、左右非対称パターンを採用したことによって旋回中に接地面外側の接地面積が増してグリップが向上したことが大きく効いています。グッドイヤーのテストによると、氷上コーナリング性能は従来品に対して5%高まっているそうです。

 ここまでの試乗でしっかりと期待に応えてくれることがわかったICE NAVI 8ですが、最後にスタッドレスタイヤにとってもっとも意地悪な状況も試してみました。緊急回避を想定し、氷の上に雪が積もった路面で、旋回中にABSが作動するまで思い切りブレーキを踏んでみたのです。

 いざそれをやってみたところ、想定していた効き具合よりも数段上をいくものでした。性能のよくないスタッドレスタイヤはグリップを失ってハンドルを切っている方向ではなく外側へ向かってしまうこともありますが、ICE NAVI 8はグググッと減速しながらしっかりとハンドルを切った方向に曲がっていきました。旋回しながらのブレーキングでもズルズルと外側へ滑っていかなかったのです。

 グッドイヤーによると、極小分散シリカをゴムに配合するなどの化学レベルの進化によってタイヤ接地面のゴムを凍った路面へ密着させることなどで、氷上路面でのブレーキ性能は従来品に対して8%も向上。加えて横方向のグリップもしっかり確保しているから、高い旋回ブレーキ性能が実現したのでしょう。

「日本の雪道は世界的にも滑りやすく特殊だから、それにあわせて日本で開発したスタッドレスタイヤが望ましい」と聞いたことがある人もいるかもしれませんが、それは事実です。

 グッドイヤーは海外のメーカーなので、なかには日本で使うにあたってそこが気になる人もいるでしょう。しかし、グッドイヤーの日本向けスタッドレスタイヤは、日本の開発拠点が日本の道路環境にあわせて開発しています。

 舗装路でのしっかり感や操縦性のよさ、そして快適性と、冬の路面での安心感を持ったスタッドレスタイヤ。あらゆる路面で試してみた結果、ICE NAVI 8はそんなトータルバランスの高いハイレベルなタイヤだと実感しました。

 13インチから19インチまで合計69ものサイズがあり、軽自動車から大型サルーンやスポーツカーまで多くのクルマのサイズに対応することも嬉しいポイントです。

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Writer: 工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。

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