強い、強すぎる! メルセデスの防弾仕様車「Sクラス・ガード」9月に世界初公開
独メルセデス・ベンツは、2021年9月に開催されるIAAミュンヘンモーターショー2021において、新型の防弾仕様車「Sクラス・ガード」を世界初公開すると同年8月6日に発表しました。
テロなどからVIPを守る防弾車
独メルセデス・ベンツは、2021年9月に開催されるIAAミュンヘンモーターショー2021において、新型の防弾仕様車「Sクラス・ガード」を世界初公開すると同年8月6日に発表しました。
登場するのは「S680 GUARD 4MATIC」で、メルセデスの防弾仕様車としては初めて全輪駆動(4マティック)を採用しています。搭載されるエンジンは最高出力612ps・最大トルク900Nmを発生する6リッターV型12気筒エンジン(M279型)で、最高速度は190km/hに制限されます。
4人乗りと5人乗りがあり、欧州でのベース価格は45万7100ユーロ(日本円で約5920万円)+付加価値税からとなります。
Sクラス・ガードは、VPAMと呼ばれるドイツの検査機関・協会で武器・弾薬・安全技術の試験がおこなわれました。VPAM BRVバージョン3という規格に基づき、民間保護クラス最高レベルの「VR10」を獲得しています。このテストでは、ボディとウインドウが、アサルトライフルからの銃撃に耐える必要があるといいます。Sクラス・ガードはドイツの連邦刑事警察局(BKA)の要求にも適合しています。
今回のテストでは、はじめて人間の骨格に基づいて細部までモデル化された、いわゆる「バイオフィデリックダミー」を用いた試験がおこなわれました。それでもダミーにダメージはなかったといいます。
Sクラス・ガードはルーフ/フロア/サイドの3つのテストすべてにおいて3つ星のトップスコアを獲得しました。
ドアは装甲が施されているため非常に重さがありますが、新開発のドアアクチュエーターの採用により、ドアの開閉は非常に小さな力で済み、片手で開けられるためにボディガードの作業を容易にします。
また電動ではなく油圧で作動するパワーウインドウを用意。これは、電気系統に異常があった際も素早く閉めることが可能で、各ドアにはコンプレッサー、バルブブロック、アキュムレーターからなる対応ユニットが設置されています。
Sクラス・ガードにはさらに自動トリガー機能付きの消火システム、また煙や毒ガスから乗員を守り、新鮮な空気を供給するエマージェンシーフレッシュエアシステムなどを用意。オプションとしてサイレンやフラッシュライトなども装備可能です。
タイヤはミシュラン製のランフラットタイヤ「PAX」を標準で装備します。中子式と呼ばれるこのランフラットタイヤは、たとえタイヤに欠陥が起きたとしても30km先まで移動することが可能で、危険地帯から脱出することができます。
Sクラスのプロダクトマネジメント責任者であるディルク・フェッツァー氏は、「S680 GUARD 4MATICは、メルセデス・ベンツの製品のなかでもっとも顧客志向の強い製品のひとつです。それは、このスペシャルプロテクションモデルが、人とその安全性に焦点を当てているからです。
最高レベルの保護等級を、これほど包括的に満たす量産型サルーンは他にありません。また、広範な開発・テスト活動により、品質と耐久性もシリーズ標準となっています。新しいスペシャル・プロテクション・バージョンは、”重要なものを守る “のです」とコメントします。
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メルセデス・ベンツは90年以上にわたって防弾仕様の特殊車両を製造してきたといいます。最初のモデルは1928年に登場した「ニュルブルク460」です。
1980年以降、歴代Sクラスにもこの防弾仕様車が用意され、各国元首などに使用されてきました。
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