カイゼンされた「水素カローラ」で2回目の耐久レース参戦! トヨタが見せた底力とは
モリゾウ選手をはじめとした各ドライバーの水素カローラへの評価は?
これらの進化は数字としてシッカリと表れています。富士24時間ではST5クラスのマツダ「ロードスター」とタイムが拮抗していましたが、今回の水素カローラの予選ベストタイムは「2分9秒992」。
これはST5クラストップのロードスター(456号車)の2分12秒217に大きく差をつけるだけでなく、その上のST4クラスに迫るタイムです。
予選後に各ドライバーに話を聞いてみました。
モリゾウ選手に記者会見で、「うちのチームは水素だけでなくドライバーも地産地消」といわれた、福岡県出身の井口卓人選手は次のように話します。
「エンジンは高回転域の伸びよりもトルク感やアクセルを踏んだときのツキの良さを感じます。オートポリスは上り区間が多くアクセルコントロールが求めるコースなので、いい方向に来ていると思います。
シャシ側はまだ重さを感じますが、クルマの動きはレーシングカーになってきていると思います。九州の人も水素に期待しており、九州が地元の自分がこのマシンに乗って走れるのは光栄です」
続いて、記者会見の場で「タイムがモリゾウ選手と同じで…」と自虐ネタで笑いを取った松井孝允選手。
「パワーよりもトルクが上がっていることが嬉しいです。オートポリスでいうと、ヘアピンは前の仕様だとすぐにアクセル全開にできましたが、今の仕様はアクセルコントロールが必要なくらいの差です。
シャシ側の進化も大きく、前の仕様は跳ねる印象で乗り辛さがありましたが、今の仕様はしなやかで縁石に乗っても優しいフットワークで、乗りやすいセットです。フリー走行ではモリゾウ選手と同タイムで焦りましたが、何とか頑張りました(笑)」
さらに開発ドライバーも務め、記者会見ではモリゾウ選手に「抜くシーンを見せてくれるでしょう」といわれた佐々木雅弘選手。
「一番変わったのはパワーですね。まだまだ上を狙えるでしょうが、現状でも速さはハッキリ体感できるし、タイムにも表れています。
シャシも前回の仕様はある意味ツルシに近い状態で、煮詰める余地はたくさんありましたが、今の仕様は進化の過程ではあるものの、着実にレーシングカーに近い状態に来ています。
パワー、コーナリング、軽量化など、まだまだ速くなる要素はたくさんありますので、今後にも期待してほしいです。『水素エンジンはパワーがないの?』と思っている人もいるようですが、心配はいりません」
そして、最後は記者会見の席で松井選手に「モリゾウ選手とのタイム差も少なく……僕と同タイム」といわれ、まんざらでもなさそうな表情をしていたモリゾウ選手。
「予選までドライでモリゾウの技能も上がり、3人のドライバーがモリゾウに合わせてコントロールしやすく、無理しないで曲がって止まれるクルマに仕上げてくれたので、予選はかなり良いレベルで走ることができました。
決勝は雨なのが残念ですが、得意の4WDなのでクルマと語り合いながら安全に楽しんでいきたいと思います」
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