マイナーチェンジでどこが変わった? VW「パサート・オールトラック」の万能さとは
2021年4月にマイナーチェンジをおこない、新しいデザインを与えられたフォルクスワーゲン(VW)「パサート・オールトラック」。2リッターディーゼルのTDIエンジンを搭載し、4WDの4モーションが組み合わされ、さらに新たに7速DSG(DCT)を採用し、ラフロードにも対応するその名のとおりオールラウンドな走行性能が魅力のモデルだが、どのように変わったのだろうか。実際に走ってみた。
マイチェンで内外装ともに大幅に変更
8代目となるフォルクスワーゲン(VW)現行型「パサート」が日本で発売された2015年というと、あまり蒸し返すのもよろしくないのですが、ちょうどVWがディーゼルゲート問題に揺れたのを思い出します。
じつは件のパサートにも、もっと早くTDI搭載モデルが日本に導入される予定があったようですが、そんな事情もありだいぶ遅れてようやく始まったのが、2018年2月のこと。さらに同年10月に追加されたのが、TDIを搭載したクロスオーバーの「パサート・オールトラック」です。
じつのところ、日本導入当初のTDIモデルはディーゼルらしい力強さを身につけている半面、音や振動がにぎやかで、出足のクラッチのつながりにもたつきがあるなど、気になる点が少なくないように感じていました。
待ったぶん、そのあたりも洗練されているのかと思いきや、意外とそうでもないことが少々残念でした。
ところが、約半年後に日本に初めてやってきたパサート・オールトラックは、同じパワートレインを搭載するにもかかわらず、そのあたりの問題がずいぶんと解消していたことに驚いたものです。
パサート・オールトラックは、パサートセダンやパサートヴァリアントには設定のない、フルタイム4WDの「4MOTION」のみの設定で、パサートヴァリアントよりも車高が30mm高く、外観では専用バンパーやホイールエクステンション、サイドシルなどが与えられるほか、インテリアには専用シートやアルミ調ペダルクラスターなどが採用されているのが特徴です。
それから約3年。現行パサート自体、登場したのがもう約7年前なので、いつフルモデルチェンジしてもおかしくないわけですが、このタイミングで大がかりなマイナーチェンジを実施したということは、まだ当面はこれで行くと思ってよさそうです。
今回のマイナーチェンジでは、LEDマトリックスヘッドライトが採用されたほかは、見た目の変更点はそれほどないようですが、全体的にいくぶんシャープさが増して精悍になったような印象を受けます。
またリアのPASSATのロゴも移設されました。ボディカラーに、これまでパサートヴァリアント専用だった「アクアマリンブルーメタリック」が追加されたのも新しい試みです。
インテリアはメーター類が一気にデジタル化されたほか、ダッシュ中央のアナログ時計に代えてバックライト付の「Passat」ロゴが配されるなどしています。
さらに最新のインフォテイメントシステムが与えられ、常時コネクティッド化とオンラインサービス「We Connect」との組み合わせにより、渋滞情報の入手や、専用アプリによりスマートフォン上で窓の閉め忘れや駐車位置などの確認、さらにドアの解錠・施錠の操作も可能となりました。
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