「ATのスポーツカー」は全然アリ!? MTじゃなくあえてATを選んだオーナーの本音は?
スポーツカーであえてATを選ぶのには理由があった!
MT車の設定があるにも関わらず、あえてATを選んだスポーツカーのオーナーに、その理由を聞いてみました。なお、今回話を聞いた人たちは、いずれもMTも運転できる普通免許を取得しています。
マツダ「ロードスター(NC型)」に乗っているAさん(40代・女性)は、運転が大好きで1人でも都内から神奈川の湘南あたりまでドライブするアクティブな女性です。ロードスターはMT率が高いクルマのひとつですが、あえてATを選んだのはなぜなのでしょうか。

「海が好きで、葉山や鎌倉、湘南のあたりにフラッと出かけることがよくあります。また、買い物などでも頻繁にクルマを使うのですが、都内や海沿いの道は渋滞が激しくて、MTでトロトロ走るのが苦手なんです。
その点ATならエンストの心配もないですし、友達に運転を代わってもらうにしてもATじゃないと嫌がれてしまいます」
MTで一番面倒なのが渋滞です。ストップ&ゴーの繰り返しで、クラッチを踏む左足とシフトレバーの操作を頻繁におこなう必要があります。またAT限定免許の取得者の比率が増えている昨今、知人に運転してもらう場合もATでないと運転できないということが多々あります。
「ロードスターに乗っているのもスポーティさというより純粋にオープンカーに乗りたかったからです。ほかのロードスター乗りに話を聞くたびに、MTでも良かったかなとちょっと後悔することもありますが、どこにでも一緒に出かけられるサイズで気軽にオープンにできるので気に入っています」
スズキ「スイフトスポーツ」に乗っているHさん(30代・男性)は、まさにあえてATモデルを選んだオーナー。MTの楽しさは認めつつも、搭載される6速ATの評判が良いのをチェックしてからATモデルを選んだそうです。
「さまざまなサイトの記事を読んだのですが、スイフトスポーツの6速ATはシフトチェンジが速く、さらにシフトダウン時にはブリッピングまでしてくれると知って、あえてATモデルを選びました。
また高速道路などではクルーズコントロールも使えて、市街地ではストレス知らずですし、ワインディグではパドルシフトを駆使してスポーティにも走れます。
コンパクトカーなので車内が広々しているわけでもないですし、煩雑なMT操作で隣の人に気を遣う必要がなくて良かったなと思います」
最後は、もともとATモデルしかないBMW「Z4」(初期型)に最近乗り始めたSさん(30代・男性)。ATでも不満はまったく感じないといいます。
「FRオープンの2シーターですが、ATで乗るクルマだと思います。Z4はどちらかというと高速道路を巡航し、ときどきワインディングで走るぐらいが気持ちいいんです。また内装もスポーティというよりエレガントなので、ATのほうが相性もいいですね。
あとは、自分のつたない運転技術が露呈しなくて済むというメリットもあります。仕事でもプライベートでもスポーティな気分を手軽に楽しめますし、人を乗せても会話の邪魔にならないのでこれからもATを買うと思います」
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スポーツカーやスポーティなオープンカーでも、楽しみ方は人それぞれ。「MTを運転したい」と思うタイミングもあるかもしれませんが、それより日常での利便性や気軽さを優先する人が増えているようです。
また、信号や渋滞によるストップ&ゴーや坂道が多い日本の道路事情ではMTよりATのほうが圧倒的に運転しやすいのも事実。無駄な操作を嫌う現在の風潮も圧倒的なAT人気の本質かもしれません。
Writer: くるまのニュースライター 金田ケイスケ
2000年代から新車専門誌・輸入車専門誌編集部を経て独立。専門誌のみならずファッション誌や一般誌、WEB媒体にも寄稿。
中古車専門誌時代の人脈から、車両ごとの人気動向やメンテナンス情報まで幅広く網羅。また現在ではクルマに限らずバイクやエンタメまで幅広いジャンルで活躍中。





























