機能優先のデザインがカッコイイ! 国産クラシックSUV5選
現在まで続くステーションワゴン系SUVの元祖とは?
●日産「パトロール」
かつて日産は、国内で本格的なクロカン車である「サファリ」シリーズを販売していましたが、2007年に国内販売を終えています。
このサファリの前身が1951年に誕生した初代「パトロール」で、外観は三菱ジープと非常に近いモデルでした。
そして1960年に外観を一新した2代目が登場。ホイールベースが2200mmのショートボディと、2500mmのロングボディがあり、ソフトトップ、ハードトップ、バン、ワゴンと多くのバリエーションを展開しました。
構造は他のクロカン車と同様にラダーフレームと前後リーフリジッドサスペンションとし、レバー操作で2WDと4WDを切り替えるパートタイム式を採用。
エンジンは4リッター直列6気筒OHVガソリンのみで、最高出力は130馬力と平凡ですが最大トルクは30kgmと十分にトルクフルです。
2代目パトロールは、1960年の登場からサファリがデビューする1980年までの20年間生産された、超ロングセラーモデルでした。
なお、現在も海外専用モデルのクロカン車にパトロールの名は使われており、日産車のなかでも、もっとも長く引き継がれている車名です。
●スバル「レオーネ エステートバン4WD」
SUVにはいくつかのタイプが存在しますが、ステーションワゴンをベースにしたSUVの先駆者となったのがスバル「レガシィ アウトバック」です。
北米で1994年にスバル「アウトバック」の名で発売されるとヒット作となり、いまでは世界各国のメーカーも同様のモデルを展開しています。
このアウトバックのさらに先祖といえるモデルが「レオーネ エステートバン4WD」で、1972年に誕生しました。
その誕生までの経緯は、1971年に東北電力から巡回用に乗用車タイプの4WD車がほしいとのリクエストが発端で、スバルは「ff-1・1300Gバン」をベースにしたバンタイプの4WD車を開発。
僅かな台数が生産されたff-1・1300Gバン4WDの技術を応用して開発されたのがレオーネ エステートバン4WDで、軍用車の流れを汲むクロカン車とは異なる世界初の量産乗用4WD車といわれています。
レオーネ エステートバン4WDは悪路走破性を重視しており、最低地上高を210mmに設定。一方でモノコックシャシにサスペンションはフロントがストラット、リアがセミトレーリングアームの4輪独立懸架とするなど、乗り心地や走行安定性を考慮していました。
エンジンは77馬力を発揮する1.4リッター水平対向4気筒OHVを搭載し、トランスミッションは4速MTのみ。駆動方式はパートタイム式4WDです。
積雪地帯や山間部の生活の足としてレオーネ エステートバン4WDは人気となり、まさに後の「生活四駆」や、悪路走破性が高いクロスオーバーSUVのルーツといえるモデルです。
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前述のとおり今も北米で人気のアウトバックですが、国内向けはすでに生産を終えてしまいました。
この北米向けアウトバックに、2021年3月30日、オフロード性能を高めた新バージョンの「アウトバック ウィルダネス(Wilderness)」が登場しました。
最低地上高は標準モデルの8.7インチ(約220mm)から9.5インチ(約240mm)まで高められ、オフロードタイヤを装着。外装も実用的かつワイルドさを強調するパーツでドレスアップされるなど、かなり本格的なオフロード車といえます。
残念ながら日本での販売はまったくの未定ですが、SUV人気が高い今ならかなり人気となりそうです。
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