日本未発売のFFスポーツカーや超巨大なSUVとは? アメリカトヨタの面白い車5選
サイオンブランド独自のFFスポーツカーとランクル超えの巨大SUVとは
●サイオン「tC」
トヨタは北米市場においてトヨタブランドと高級車のレクサスブランドに加え、2003年に若者をターゲットとしたブランドのサイオンを設立しました。
サイオンのラインナップは日本の「bB」をベースとした「xB」や、「86」ベースの「FR-S」、マイクロカーの「iQ」など、まさに若者受けする車種を中心に展開。
さらに、完全にサイオンブランド専用モデルとして開発されたのが、3ドアハッチバッククーペの「tC」です。
初代tCは2004年に発売。ボディサイズは全長4420mm×全幅1755mm×全高1415mmとコンパクトながら、2.4リッター直列4気筒エンジンを搭載するFF車です。
外観はショートデッキのリアまわりが特徴的で、FR-S(86)よりもカジュアル向けのコンセプトでした。
2010年には2代目tCが登場。基本的なフォルムやサイズ感は初代からのキープコンセプトで、フロントフェイスはシャープなデザインに変貌。
搭載されたエンジンは180馬力を発揮する2.5リッター直列4気筒のみで、トランスミッションは6速ATと6速MTが設定されました。
2014年にはフロントフェイスにキーンルックを取り入れ、「マークX」にも似た精悍なイメージに一新するビッグマイナーチェンジがおこなわれ、同時にサスペンションやトランスミッションもスポーティな味付けにチューニングされるなどFFスポーツカーとして走りの質を向上。
しかし、2016年にサイオンブランドの廃止とともに、86に統合されるかたちで生産を終了しました。
●トヨタ「セコイア」
北米におけるトヨタ車で好調なセールスを記録しているのが「RAV4」と「カムリ」、さらにピックアップトラックがあります。
なかでもフルサイズピックアップトラックの「タンドラ」は高い人気を誇っていて、このタンドラのラダーフレームをベースに、ステーションワゴンタイプのボディを架装して開発されたSUVが「セコイア」です。
セコイアは北米のみで販売されるフルサイズSUVで、初代が2000年に登場し、現行モデルは2007年に発売された2代目で、すでに発売から13年を経過したロングセラーといえます。
ボディサイズは全長5210mm×全幅2029mm×全高1956mmとトヨタ製SUVのなかでも最大で、現行モデルの「ランドクルーザー200」よりもひと回り大きく、室内は3列シートの7人もしくは8人乗りです。
エンジンはレクサス「LX570」にも搭載される5.7リッターV型8気筒で、最高出力は381馬力(米規格)を誇り、組み合わされるトランスミッションは6速ATのみ。
駆動方式はFRの2WDとフルタイム4WDを設定し、4WDはセンターデフにロック機構を搭載しており本格的な悪路走破性を発揮する一方、足まわりには4輪ダブルウイッシュボーンを採用することで、優れた乗り心地を実現しています。
セコイアは日本にも少量が並行輸入されており、新車、中古車ともに購入は可能ですが、さすがにこの巨体ですから、日本の道路状況ではかなり手強いのではないでしょうか。
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トヨタは1957年にアメリカ法人を設立して、1958年に「トヨペットクラウン」から本格的な輸出が始まりました。さらに1960年には「コロナ」をベースにした北米仕様の「ティアラ」を発売。
しかし、クラウン、ティアラともに動力性能は低く、品質にも問題を抱え、すぐに輸出が停止されてしまいました。この窮地を救ったのが、クロスカントリー4WD車の「40系 ランドクルーザー」です。
優れた悪路走破性と耐久性、信頼性から40系 ランドクルーザーはアメリカで好調なセールスを記録し、トヨタは販路を拡大。
その後、改めて本格的な北米進出を果たすことになり、40系 ランドクルーザーは現在の北米におけるトヨタの成功の礎になったということです。
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