「タント」テコ入れが軽2位下落のダイハツを救う!? 首位奪還のスズキと差が付いた訳
「タント」や「タフト」に足りないものは?
今後、ダイハツがおこなうべきはタントのさらなるテコ入れです。
現行モデルは先代モデルに比べると、走行安定性や後席の座り心地を向上させて運転支援機能なども加えましたが、全般的に変わり映えせず購入の決め手に欠けます。

スズキ「スペーシアギア」のようなSUV風の仕様を加えるなど、目立った特徴を打ち出す必要があります。
ダイハツには販売が低調ながらウェイクやキャストもあるため、スズキに比べて軽自動車の車種数が多いです。そのために機能の重複を避けることを考えてしまいます。
例えばタフトはガラスルーフの「スカイフィールトップ」を全車に標準装着した代わりに、後席のスライド機能は採用していません。
ほかのダイハツ軽に後席がスライドするモデルが数多く用意されるためですが、後席スライド非採用がユーザーのニーズに合うとは限りません。車種同士の機能の重複を避ける遠慮が、販売面でマイナスに作用しました。
その点でスズキは車種が少ないため、タフトのライバル車である「ハスラー」は「ワゴンR」と同じように後席のスライド機能を装着して実用性を高めています。
マイルドハイブリッドの搭載で燃費も優れ、ガラスルーフなどは採用されなくても2021年1月から4月に3万3861台を販売しました。
背の高い軽自動車では多彩なシートアレンジも購入時の条件になるため、タフトもシートアレンジの多様化を検討する必要があるでしょう。
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現在はホンダ「N-BOX」が絶好調で売れていることもあり、軽乗用車の約50%を全高が1700mmを超えてスライドドアを装着するスーパーハイトワゴンが占めています。
ここに該当するタントに磨きを掛けないと、軽自動車市場におけるダイハツの存在感まで低下してしまいます。
タントに必要なのはお買い得な特別仕様車の設定ではなく、根本的な機能の向上や新たなシリーズが求められているのです。
Writer: 渡辺陽一郎
1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を得意とする。





























