クルマで走ると路面から音楽!? 不思議な舗装路「メロディロード」の謎に迫る
メロディロードを設置できる条件とは?
メロディロードは、溝の間隔、長さや深さでメロディに聞こえる効果を生み出す工夫が施されており、スピードを落とす効果があるとされますが、実際に施工できる道路はいくつかの条件があります。
篠田興業の篠田社長は次のように説明します。

「メロディロードの施工には、それほど特殊な技術は必要ありません。メロディを楽譜にして、音符の音階や長さを周波数に変換して施工しています。
ただし、路面には基準の硬さが必要なため、状況に良いっては硬い舗装に変えることもあります。条件がクリアできれば、長さや勾配、カーブなどの制限はとくにありません」
ほかの条件として、「速度変化が急激に発生しない道路」「コンクリートかアスファルトの舗装道路」「演奏したいメロディの長さに適合した道路の確保」などがあり、さらにクルマの走行音が45dBから90dBで収まることも条件になっているそうです。
「ただし、どんなにいいメロディでも結局は摩擦音ですので、近隣住民にとっては騒音の一種になる可能性も否定できません。メロディロードは嗜好品と考えています。
周辺住民の苦情によって撤去されるという事態だけは絶対に避けたいと考えており、かなりの数の依頼をいただきましたが、条件をクリアできる道路のみ施工させていただいております」(篠田社長)
聞こえてくるメロディは、近隣住民にとっては騒音になってしまう可能性が高いため「施工する道路周辺に住宅がないこと」も大切な条件のひとつだといいます。
「試験的に2か所施工されたしゃべるメロディロードも含め、交通安全の啓蒙や町の入り口を知らせる『カントリーサイン』としての利用を見込んでいます」(篠田社長)
ちなみに、使用されるメロディ(楽曲)は、その土地にゆかりがあるものを採用するケースが多いようです。
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メロディロードのアイデアと効果は高く評価されており、2008年には「アジア太平洋国際広告祭」の部門最高賞を、2009年には「カンヌ国際広告祭」の金賞をも受賞し、世界的にも認知が高まっています。
すでに中国の河南省にも進出。海外にもメロディロードが存在しています。
Writer: くるまのニュースライター 金田ケイスケ
2000年代から新車専門誌・輸入車専門誌編集部を経て独立。専門誌のみならずファッション誌や一般誌、WEB媒体にも寄稿。
中古車専門誌時代の人脈から、車両ごとの人気動向やメンテナンス情報まで幅広く網羅。また現在ではクルマに限らずバイクやエンタメまで幅広いジャンルで活躍中。




















