ターボ+4WDが当たり前だった時代? ガチのライバルだった高性能車5選
凄まじいスパンで改良がおこなわれた2台のライバル車とは
●スバル「インプレッサ WRX STiバージョン」
1992年にデビューしたスバル「インプレッサ」は新世代のセダン/ステーションワゴンとして開発されました。さらに、初代「レガシィRS」に代わってWRCで勝つ使命が与えられ、トップグレードには「WRX」を設定。
最高出力240馬力を発揮する水平対向4気筒DOHCターボ「EJ20型」エンジンを搭載し、レガシィより80kgも軽いボディに搭載したことや、クロスレシオ化されたトランスミッションの採用で高い走行性能を実現しました。
そして、1994年にはSTI(スバルテクニカインターナショナル)製のコンプリートカー「インプレッサ WRX STiバージョン」が登場。
前後輪のトルク配分をドライバーが任意に調節できる「DCCD(ドライバーズコントロールセンターデフ)」を採用し、あらゆる路面に適したトラクションを得ることができました。
WRCには1993年シーズンの途中から投入され、1995年にはダブルタイトルを獲得したことから日本のみならず欧州でも人気を博しました。
その後市販モデルでは1996年にはさらに高回転高出力化が図られ、最高出力は280馬力に到達。そして、後述する最大のライバルである「ランサーエボリューション」との、熾烈な開発合戦を繰り広げることにつながりました。
●三菱「ランサーGSRエボリューション」
三菱は1960年代から1970年代にかけて国内外のラリーに参戦して優勝を含む好成績を収め、三菱車のポテンシャルの高さを知らしめました。しかし1980年代になるとラリーでは2WDのFR車では勝てない状況となります。
そこで三菱は1987年に「ギャラン VR-4」を発売し、ダートトライアルやWRCへ参戦して活躍します。しかし、さらに戦闘力の高いマシンの開発は急務で、1992年に初代「ランサーGSRエボリューション」が登場。
ギャランよりも軽量でコンパクトな「ランサー1800GSR」をベースに、エンジンは最高出力250馬力を誇る2リッター直列4気筒「4G63型」ターボエンジンを搭載し、駆動方式はビスカスカップリングとセンターデフを組み合わせた、フルタイム4WDシステムが採用されました。
さらに、ボディ剛性のアップと同時にアルミ製ボンネットなどによる軽量化もおこなわれ、ハイパワーなエンジンと4WDシステム、軽量な車体が相まって高い走行性能を発揮。より軽量なレースベース車の「ランサーRSエボリューション」を設定されました。
1993年シーズンの途中からWRCへ投入されましたが、急造されたことから性能は熟成されておらず、苦戦を強いられたことから、1994年には改良された「ランサーGSRエボリューションII」が登場し、1995年シーズンで初優勝を記録。
以降は毎年のようにアップデートが図られ、前出のインプレッサと人気を二分する存在となりました。
しかし、三菱はリコール隠しという重大なスキャンダルが発覚したことから業績が悪化し、2005年シーズンでワークス活動から撤退。
その後もランサーエボリューションの販売は続けられましたが、2015年に発売された「ランサーエボリューション ファイナルエディション」をもって、歴史に幕を閉じました。
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インプレッサ WRXとランサーエボリューションの開発合戦は、今では考えられないほどのスパンで展開されましたが、前述のとおりランサーエボリューションは消滅。
インプレッサも「WRX STI」へと高性能モデルは移行され、現行モデルはベーシックなセダンと5ドアハッチバックとなり、そのWRX STIもすでに生産を終えて、かつてのような高性能4WD車はスバルの現行ラインナップに存在していません。
しかし、三菱は2021年5月に「ラリーアート」ブランドの復活を宣言しており、スバルも次期型WRX STIを示唆するコンセプトカーをすでに発表していますから、将来的には両社の高性能4WD車復活に期待できそうです。
三菱ランサーや三菱ランサーエボリューションのほうが先ですよ。発表も発売もWRCデビュー戦も。スバルのとは。いい加減に順番間違えて記載するのは恥ずかしいと云う事を覚えましょう。
歴史を捏造しないと困る事でもあるのでしょうかねぇ。