日本どうなる? EV旋風で中国が日本を凌駕する日は来る? 変わりゆく自動車産業の今後

中国の自動車産業が目まぐるしい成長を遂げていますが、欧米や日本の自動車産業を凌駕する日は来るのでしょうか。

世界最大の自動車販売国から、世界最大の自動車生産国へ

 近年、成長著しいといわれる中国の自動車産業ですが、欧米諸国、そして日本の自動車産業を凌駕する日は訪れるのでしょうか。

中国EVメーカーNIOが発表したセダンタイプの新型EV「ET7」。2022年には全固体電池車を投入するという。(画像:NIOホームページより)
中国EVメーカーNIOが発表したセダンタイプの新型EV「ET7」。2022年には全固体電池車を投入するという。(画像:NIOホームページより)

 かつて「眠れる獅子」といわれた中国ですが、現在では完全に覚醒し、アメリカと並ぶ超大国にまで成長しています。

 2000年代以降、急速に経済成長した中国は、あらゆる産業でその影響力を強めていますが、それは自動車産業についても例外ではありません。

 現在、世界全体における年間の新車販売台数は9000万台強ですが、そのおよそ30%弱にあたる約2500万台が中国市場で販売されています。

 ここ数年は以前ほど伸長していませんが、中長期的に見れば3000万台から4000万台規模まで成長するという予測もあります。

 中国の新車販売台数が、世界トップに躍り出たのは2009年のことです。

 そこから1度も首位の座を明け渡していないことからもわかるように、すでに中国は自動車販売国として世界最大の市場であることは明らかな事実です。

 筆者(瓜生)は、2012年から毎年のように国内外、そして中国各地のモーターショーなどを取材していますが、展示される車両の台数や、会場の規模といった定量的な部分はもちろん、各メーカーの意気込みや、現地および海外メディアの熱気といった定性的な部分を見ても、中国のモーターショーは世界随一だといえます。

 一方で、ビジネスの世界では「チャイナ・リスク」という言葉があるように、中国特有の「危うさ」を感じるのも事実です。その代表的な例が、デザインや技術の模倣、いわゆる「パクリ」の問題です。

 はじめに付け加えておくと、デザインや技術の類似性を法的に証明するのは非常に困難であり、感情論や印象論だけで「パクリ」と断ずることはさまざまな危険をはらむことになります。

 しかし、それを加味したうえでも、「パクリ」と感じざるを得ないクルマを会場でしばしば見かけるのも事実です。

 また、中国では外資系自動車メーカーが中国国内で新車を生産・販売するためには、原則として現地の自動車メーカーと合弁企業を設立する必要があります。

 中国側の視点で見れば、潤沢な自国の市場と引き換えに技術や生産ノウハウを共有してもらうための戦略です。

 この戦略自体はまったくアンフェアなことではありませんが、予期し得ない技術流出などといったリスクがつきまとうことは否めません。

 さまざまなリスクがあるとはいえ、世界各国の自動車メーカーが中国市場に注力するのは、それほどに13億人を超える人口を擁する中国市場が魅力的だからにほかならないでしょう。

 しかし、中国の自動車産業には次の戦略があります。2015年に発表された「中国製造2025」という国家戦略で明らかにされた、「2025年に世界の自動車強国の仲間入りをする」という内容がそれにあたります。

「自動車強国」という言葉が、アメリカやドイツ、そして日本といった国々を意味していることは明らかです。

 前述した世界の新車販売台数9000万台強のうち、これら「自動車強国」の自動車メーカーが生産しているのはおよそ70%から80%に及びます。

 あと5年足らずで、中国はこれらの国々に比肩する自動車生産国として名乗りを上げ、近い将来に自動車生産国としても世界最大級になるという意志を明確に示しているのです。

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コメント

5件のコメント

  1. 結局どう話をまとめたいのかさっぱりですが、
    急速な電動化、BEVについては、
    昨今に半導体不足の調達問題での生産影響が出てる様に、
    バッテリー不足による調達&生産への影響が問題化していく様に思う、
    さらには、
    バッテリーの劣化に対する使用耐久年数や廃棄&リサイクルも含めた上での
    CO2排出削減量やコスト、保障制度の妥当性が充分に研究議論されてる様には思えないので、
    何れ問題が顕在化するのではなかろうか?と心配です。
    本当の意味でこの急速な電動化推進が地球環境や人々の暮らしにプラスになる様には見えてこないですので、
    闇雲にBEVを購入する気にはなれません。

  2. マーケで、キャズム理論やボストンコンサルティングのPPM理論で説明がされるが、過去にはビデオデッキ、デジタル時計、デジタルカメラ、携帯電話からスマホが、現在は電気自動車だろう。
    イノベーターと呼ばれる市場占拠率2.5%のモルモット(失礼)が飛びつき、ついでそれの評価を冷静に自分で判断し、比較的裕福で好奇心旺盛なアーリーアダプター13.5%が続く。
    BEVは今、この層で、その後に続くアーリーアダプターの評価で動くアーリーマジョリティ34%に移行できるかが市場で認知されるかのキーとなる。
    EVの記事やコメで否定的なのは、その後に続く、レイトマジョリティ34%と言う保守的で、臆病で、他人と同じものを持つことで安心する層で、故に社会的な成功者が少なく、購入層としては貧しい、社会の変革を望まない層でもある。
    最後のラガード16%は何が何でもも頑固層。
    ポジションでトークが変わることは自明で有り、政府の政策の後押しが重要となる。
    中国のように、キャズム理論を無視する強引な政策を打てる国は一気レイトマジョリティまで押し切ってしまえる。ここが強みだろう。
    日本は、レイトマジョリティに忖度しすぎでガラパゴ化していく傾向が強い。残念ながら。

    • キャズムもしくはイノベーター理論を正しく活用できてない考えですね、
      購買層を区分けして揶揄してるだけでは何も成果は挙げられない。
      この理論の肝はそのキャズムを超え
      マジョリティ層つまりは大衆を取り込めむ為に、
      マーケティング戦略やイノベーションをどうやって打ち出せるか?
      そのたたき台としての統計学に過ぎないのだよ。

  3. マーケ絡みの理論はたいがい後付けやけど、当たっている側面もある。当たり前か。後付けやから。
    但し、これも当たり前の話やけど、この理論が当てはまるのは新しい技術が取って代わられる技術を圧倒する提供価値を備えていることが大前提。
    BEVがそれに相当するとは百歩譲っても思えんがね。充電時間の問題やバッテリーの劣化による残価の問題は実現可能性が不透明な技術革新頼みやし、販売台数が例えば全需500万台/年の半数がBEV化した際のインフラの問題も、発電時排出CO2の問題も然り。
    加えて、テスラ始め新興MAKEに至っては自動車メーカーと呼べんレベルのお手軽開発と品質に対する志の低さが露呈してる。その証拠にテスラの品質満足度レベルは業界最低水準。しかもダントツレベル。
    テスラは一例やけど、新興メーカーについては、近い将来、自動車製造メーカーとしての基礎研究や技術レベルの軽薄さ、製造工程のずさんさが露呈する日が必ず訪れるとみる。いろんな面でね。

  4. 日本でBEVが普及しないそのキャズムに潜む問題は、
    ガレージを持つような一軒家世帯が少ない事に加え、
    家庭用電源が世界的にも最も低い100V定格である事じゃなかろうか?
    欧州や中華圏は200V級なので、
    家での200V普通充電して使うのが基本で充電器設置すればOKしょうから、
    プジョーのPHEVなどのように欧州では200V普通充電仕様で急速充電には非対応のモデルも出てますし、
    でも日本だとまず200Vの供給契約し充電器設置しないとならないという事だよね、
    実際補助金活用次第では大した費用でもないという話もあるが、
    やはり一般家庭には心理的にもそのハードルが高いと言わざるを得ないでしょう。