よくぞ実現した! 実はスゴいことを成し遂げた車3選
これまで数多くのクルマが誕生していますが、なかには誰もが認めるような偉業を達成したクルマもあります。一方、あまり知られていない存在ながら、振り返ると偉業だったと思えるクルマも存在。そこで、実はすごいことを成し遂げたクルマを3車種ピックアップして紹介します。
いま思うと偉業といえることを達成したクルマを振り返る
内燃機関を搭載した自動車が発明されて、すでに120年以上もの歴史がありますが、これまで世界中のメーカーから星の数ほどのクルマが誕生しました。
そうしたクルマのなかには、世の中を変えるくらいの影響力があったモデルもあります。
近年の国産車では1997年に発売されたトヨタ初代「プリウス」がハイブリッド車の先陣を切り、1989年発売のマツダ(ユーノス)「ロードスター」は、オープン2シーター車というジャンルを世界的に復活させた礎になったなど、どちらも誰もが認める偉業を成し遂げたクルマといえます。
一方で、それほどの影響力はなかったものの、振り返ると凄いことをやってのけたと思えるクルマも存在。
そこで、実はすごいことを成し遂げたクルマを3車種ピックアップして紹介します。
●ホンダ「T360」
1948年に静岡県浜松市で創立されたホンダは、オートバイの生産から始まった企業だとは誰もが知るところですが、同社初の4輪車は1963年に誕生しました。
その記念すべき1号車は、360ccエンジンを搭載したセミキャブオーバー型軽トラックの「T360」です。
T360と同時に開発していたスポーツカーの「スポーツ360」がお蔵入りとなり、これに搭載していた360cc水冷直列4気筒DOHC4キャブレターと同型のエンジンをT360に搭載するという、当時の常識では考えられない軽トラックでした。
今でこそDOHCエンジンは軽自動車でも一般的になりましたが、60年近く前に軽トラックへ4気筒DOHCエンジンを搭載したことは、すでにオートバイでレースに参戦していたホンダだったから可能でした。
最高出力30馬力(グロス)を8500rpmで発揮するというまさにスポーツカーのエンジンでしたが、軽トラックのエンジンに要求されるのは耐久性やメンテナンス性、低回転域でのトルクだったため、ヒットには至りませんでした。
1967年には、空冷2気筒SOHCエンジンを搭載した「TN360」にバトンタッチするかたちで、T360は生産を終了しました。
今では現存数が少ないながらも愛好家が存在し、旧車イベントでT360が走る姿を見ることもでき、栃木県の「ツインリンクもてぎ」にある「ホンダコレクションホール」には、新車のようにレストアされたT360が動態保存されています。
●ダイハツ「シャレード」
トヨタと提携していたダイハツは、トヨタ「パブリカ」のOEM車として販売されていた「コンソルテ」の後継車として、1977年に新世代のFFコンパクトカー「シャレード」を発売。
エンジンは1リッタークラスで世界初となる3気筒を搭載し、当時はオイルショックによる省エネブームという背景があり、経済性に優れるシャレードはヒットを記録します。
そして、1983年に登場した2代目では、乗用車用としては世界最小排気量の1リッター3気筒SOHCディーゼルエンジンを搭載した「シャレードディーゼル」を追加ラインナップ。
しかし、最高出力は38馬力(グロス)と非力だったことから、翌1984年にはパワフルなターボディーゼルエンジン車が登場し、1リッターの排気量から最高出力50馬力(グロス)にまで向上しました。
そもそもディーゼルエンジンはシリンダーの直径(ボア)が大きいほど燃焼状態には有利で、小排気量化には向いていないにもかかわらず、果敢にチャレンジしたダイハツの技術力は凄かったといえます。
しかし、ディーゼルエンジン固有の振動や騒音、排気ガスの黒煙の克服が難しかったこと、さらにガソリンエンジンの高出力化が進んだことで、1993年に4代目にモデルチェンジした際にディーゼルエンジン車は廃止となってしまいました。
なお、現在は世界的な排出ガス規制が強化によって、小排気量ディーゼルはコスト的に不利な状況なため、マツダの1.5リッターが最小です。
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