「EVシフト」なぜプレミアムブランドで先行するのか? 価格面だけではないその理由
米GM傘下のキャデラックが、SUVタイプの電気自動車(EV)「リリック」を発表。このほか欧州のプレミアムブランドからも新型EVが続々と登場しています。世界的なクルマ電動化のなかで、なぜプレミアムブランドのEV化がいち早く進んでいるのでしょうか。
高級EV続々登場! ハマーに続きキャデラックも
またしても、プレミアムな新型EVが登場しました。
米GMのプレミアムブランド、キャデラック「リリック」です。2023年モデルとして2022年春過ぎに市場導入され、日本でも発売される見込みです。
ボディ寸法は、全長4996mm×全幅1977mm×全高1623mm、ホイールベースが3094mmというフルサイズSUVで、近年のキャデラックのデザインをデフォルメした近未来感を思い切り盛り込んだ前衛的な雰囲気があります。
駆動方式は1モーターの後輪駆動で、最大出力は255kw、最大トルクは440Nm。搭載するリチウムイオン二次電池の電気容量は100kWhと日産「リーフ」の標準モデル(42kWh)の2倍以上ですが、車体重量は2545kgと重いことなどから、満充電での航続可能距離は482.8kmにとどまります。
GMといえば、リリックに先行して発表したGMC「ハマーEV」はアメリカでの市場導入が2023年前半からにもかかわらず、トップモデルの3モーター式のエディション1はアメリカ現地価格10万5595ドル(1ドル108円換算で1145万円)の初期の予約予約分はすでに完売しています。
リリックやハマーEVは、GMが独自開発したEVプラットフォーム「アルティウム」を使い、リチウムイオン二次電池は韓国のLG化学がアメリカ国内で生産します。
アルティウムについては、ホンダはGMと協業し、2024年モデルとして2023年春過ぎにホンダとアキュラで大型プレミアムEVをアメリカで市場導入することを明らかにしています。
そのほか、欧州のプレミアムブランドでは、ベントレーが2026年までにプラグインハイブリッド車(PHV)とEVにして、2030年には完全EV化。ボルボも2025年までにグローバルで新車50%をEVにして2030年には完全EV化します。また、それらよりひと足早く、ジャガーは2025年に完全EV化へ移行します。
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