SUVばかり売れてる? 自動車メーカーが次々と新型SUV投入するワケとは
「クルマのトレンドはSUV」といわんばかりに、SUVの新型車が次々と登場。しかしランキングを見ると、SUVが多くを占めているとはいえません。自動車メーカーはなぜSUVばかりを作るのでしょうか。
メーカーがSUVに注力する3つの理由
今、日本の新車のトレンドといえば、なんといってもSUVでしょう。ここ1年の間でもトヨタ「ハリアー」「ヤリスクロス」、日産「キックス」、マツダ「MX-30」、そして先日のホンダ「ヴェゼル」などSUVの新型車がデビューしています。
2020年度の登録車(普通車・小型車)販売ランキングを見ても、1位はSUVのヤリスクロスを含んだトヨタ「ヤリス」、そして2位にはトヨタ「ライズ」が上位に入り、SUVが市民権を得ていることが理解できます。
ただ、その先のランキング10位内には7位にトヨタ「ハリアー」が入っているだけで、意外に少ない印象です。20位まで見渡しても、14位にトヨタ「RAV4」、20位に日産「キックス」がランクインしているだけで、決してランキング上位をSUVが占めているとはいえない状況です。
つまり、日本市場においてSUVは「トレンドとはいえるが、広く普及しているかといえばそうでもない」という立ち位置といってよいでしょう。
しかし、日本市場においてSUVラインナップが増えていることは間違いありません。なぜ、絶対的な販売数としては、SUVは多いとはいえないにもかかわらず、自動車メーカーはそのSUVの車種を増やすのでしょうか。
大きな理由は3つ考えられます。
一つは、海外市場との兼ね合いです。
たとえば日本メーカーにとって欠かせない北米市場は、2020年の乗用車販売(トラックを除く)において上位10台のうち6台がSUVです。
その影響で、北米ではラインナップがすべてSUVになってしまった「リンカーン」や、17車種もあるのにセダンは激減して1モデルしかない「シボレー」のように、SUV前提で成り立っているブランドまで増えています。
日本の自動車メーカーも、それらの地域で商売をするならばSUVを多く取りそろえ、それを日本でも販売することが、効率向上につながります。
ちなみに北米の2020年乗用車ランキングで見ても、国産メーカーのトヨタ「RAV4」とホンダ「CR-V」はトップと2番手。日産「ローグ」(日本では「エクストレイル」)、マツダ「CX-5」、スバル「フォレスター」なども、北米では販売好調なSUVです。
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