ドラマの影響で中古車人気上昇中のモデルもあり? 想定外のヒット車3選

生産終了後に再評価されて中古車がヒット?

●日産「ラシーン」

SUV人気からデザインが再評価されたクロスオーバーの先駆け「ラシーン」
SUV人気からデザインが再評価されたクロスオーバーの先駆け「ラシーン」

 最後に紹介する日産「ラシーン」は前述の2台と異なり、生産終了後に中古車が人気となったクルマです。

 ラシーンは前出のシビックシャトル ビーグルと同じくRVブームを背景にクロカン車風に仕立てられたモデルで、1993年の東京モーターショーにコンセプトカーとして出展され、ボクシーで背の低いデザインは来場者から好評を博し、翌1994年に市販モデルを発売。

 ボディはショートスタイルのステーションワゴンで、フロントにグリルガード、ルーフレール、テールゲートには背面スペアタイヤを装着するなど、見た目は完全にRVのイメージで現在のクロスオーバーSUVの先駆け的存在といえます。

 ボディサイズは全長4115mm×全幅1695mm×全高1515mmと、今の水準からするとかなりコンパクトで、見切りの良いボディ形状も相まって、良好な取り回しを実現。

 搭載されたエンジンは発売当初、全グレード1.5リッター直列4気筒のみで、後に1.8リッターエンジン車を追加。トランスミッションは5速MTと4速ATを設定し、駆動方式はすべてフルタイム4WDとなっており、よりRVに近いコンセプトといえます。

 その後、ラシーンは2000年に生産を終了。フルモデルチェンジすることなく、また後継車もなかったため一代限りで消滅していました。

 ラシーンは平均すると年間1万台以上を販売しており、スマッシュヒットしたモデルですが、ここ数年で中古車が人気となりました。

 現在のSUV人気という影響だけでなく外観のデザインが再評価され、中古車をカスタマイズして販売する専門店もあるほどです。

 また、人気の漫画やそれを原作にしたドラマで、カスタマイズされたラシーンが登場したことも、人気を後押ししています。

 希少価値から人気となっている旧車、ネオクラシックカーとは異なり、デザインが注目された珍しい絶版車といえるでしょう。

※ ※ ※

 近年、SUV人気という背景からコンパクトカーをベースにしたSUV風モデルが増えていますが、シビックシャトル ビーグルやラシーンを見ると、歴史は繰り返しているように思えます。

 実際に、かつてのRVブームの頃は、今のSUV人気とは比べ物にならないくらい各メーカーのクロカン車が大ヒットしていたので、当時はその人気にあやかるように安易にRV風に仕立てられたモデルも散見されました。

 そのため、まったく売れずに短命だったモデルもあり、安易な企画は注意が必要ということでしょう。

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Writer: くるまのニュース編集部

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