真ん中車線だけ広い!高速道路の車線の幅が25cm刻みで違うのはなぜ? 東名&名神は特別
東名・名神は3.6m、新東名は3.75m なぜ?
主なものとしては、日本における高速道路の黎明期に造られた東名高速と名神高速、そして最新の部類に入る新東名高速です。
1960年代に開通した東名と名神は、車線が通常より10cm広い3.6mで設計されています。この微妙な10cmの差はなぜ生じたのでしょうか。
東名・名神の車線の幅について、前出のNEXCO中日本の広報担当者によると、この両路線は高速道路の規格がまだしっかりと固まっていない時代に、アメリカの12フィート(3.6m)が採用されたためだといいます。
日本で初めて高速道路が開通したのは、1963(昭和38)年7月のこと。名神の栗東ICから尼崎IC間71.7kmでした。このとき車線の幅が3.6mとされ、名神に接続する東名も3.6mになりました。
高速道路の車線の幅はその後、メートル法をもとにした3.5mが採用されて現在に至りますが、東名・名神でも付加車線などで3.5mとしている箇所もあります。
また、東名の東京ICから御殿場ICにかけての片側3車線は、車線によって幅が調整されていることはなく、いずれも3.6mだそうです。
東名・名神だけ異なる3.6mの車線を、今後、ほかの路線と同じ3.5mに揃えることはないのでしょうか。
「現時点ではそのような方針はありません。車線を現行より狭めるのはドライバーの皆さまにとってメリットがなく、なにより車線を狭めることは安全面ではマイナスになるからです」(NEXCO中日本 広報担当者)
新東名は東名より15cm広い1車線あたり3.75mで設計されています。設計速度が他路線より速い120km/hであり、安全を確保するためだといい、新名神は従来と同様、3.5m(基本)で設計されています。
なお、都市部など一部区間では基本の3.5mより25cm狭い3.25mの車線もあります。首都高速や阪神高速といった都市高速の車線はもっぱら3.25mです。この場合、最高速度も60km/hなどに制限され、安全が確保されています。
かつて渋滞が多発していた東名の岡崎付近や東名阪道の四日市IC付近も、渋滞緩和のため従来の片側2車線の各車線を狭めてスペースを捻出し暫定的に3車線とする対策が取られました。このときも1車線あたりの幅は3.6m(東名阪道は3.5m)から3.25mになっています。
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ひと口に高速道路といっても、車線の幅は25cm刻みで調整されています。都市部や地方部、もしくは路線ごとに幅の違いが分かってきたら、高速道路を相当走り慣れているといってよいでしょう。
3車線区間の第1車線は実質7メートル車線だし誰も走ってないからとても安全。