自動車整備士不足が問題化! 重要な役割もなぜ志望者減? 低賃金も原因か
整備士を増やすための活動とは?
整備士不足が不足する昨今ですが、実際に整備士を増やすための取り組みとしてはどういったことが行われているのでしょうか。
前出の担当者は以下のように話します。
「整備士の志願者を少しでも増やすために、小中学校へのイベントの出展や職業体験をしてもらって少しでも認知してもらおうといった取り組みをおこなっています。
実際、整備士は、数万点から構成されるクルマという命に関わる機械を整備する仕事であるため、頭が良くないとできない仕事です。
そのため、こうした仕事や重要性を理解してほしいと思っています。
また、整備士のイメージとして、油にまみれて汚くてキツいといったマイナスな印象を持たれている人も多いかもしれません。
ですが、最近では、場所にもよりますがエアコンが完備され快適な空間での仕事ができる環境に変わりつつあります。
国家資格が必要な重要な仕事のひとつであるため、少しでも興味を持っていただければ嬉しいです」

また、最近ではハイブリッドカーやEV化が進んでいます。こういったクルマのさまざまな新しい技術にも対応していく必要があります。
こうした最新技術への学びの場について、前述の担当者は次のように話します。
「当校の場合は、新技術について教科書に掲載があれば授業内で解説をおこないますが、現在はハイブリッド以外細かい記載はされていないのが現状です。
ですが、新技術を学ぶ場所として、企業に出張セミナーを依頼しています。
企業セミナーでは、独自の最新メカニズムについて話をしてもらう場を設けています」
※ ※ ※
クルマは年々最新技術が搭載され、みるみる進歩を続けていますが、そんな自動車業界を支える整備士を育成する学校でも、さまざまな工夫がなされているようです。
日本の基幹産業といえる自動車産業。2020年12月17日、日本自動車工業会の豊田会長は、新型コロナ禍で日本全体の就業者数が減少するなか、自動車業界は雇用を増やしている事実を訴えました。
そのなかで、自動車産業が生み出す雇用は550万人だといい、日本で働く10 人に1人が自動車産業に関わっていることになります。
国に納めている税金は15兆円かつ経済波及効果は2.5倍だとし、自動車生産が1増加すれば、全産業が2.5倍増加することになると説明しています。
そのなかで、整備士が属する部品を含め、その製造・販売・整備などに関わっているのは約237万人だといいます。
日本の自動車産業は加速する電動化により、さまざまな影響が予想されています。今後、整備士を含めて雇用問題がどのような展開を迎えるのか、注視すべき事案だといえます。
Writer: Peacock Blue K.K.
東京・渋谷を拠点とするオンライン・ニュース・エージェンシー。インターネット・ユーザーの興味関心をひくライトな記事を中心に、独自の取材ネットワークを活用した新車スクープ記事、ビジネスコラム、海外現地取材記事など、年間約5000本のコンテンツを配信中。2017年創業。








