なぜトヨタはいすゞ・日野と新会社設立? 小型商用事業で協調する狙いとは
将来的には「ハイエース」にも影響はある?
さらにコネクテッド領域の統合は、走行距離/移動範囲が大きい商用車が加わることで、データ蓄積の多さや精度、スピードも大きく向上するでしょう。
それは結果として乗用車を使うユーザーにも大きなメリットを生むと予想しています。
ちなみに現在、いすゞ「エルフ」には「つながるトラック」でおなじみの独自のコネクトサービスが展開されています。
現在はドライバー/クルマ/販売店のみですが、今後は車両データのみならず外の世界の情報を含めた「もっとつながるトラック」になることで、輸送効率向上にも大きく寄与してくれるはずです。
また、今回の発表ではあまり触れられませんでしたが、自動運転技術や先進運転技術も協業のメリット活かした普及により、現在大きな課題となっているドライバーへの負担も大きく軽減されるでしょう。
むしろ、上記の技術は乗用車よりも商用車のほうが重要なアイテムだと考えています。
といっても「商用車だから一般ユーザーにとっては身近ではないから……」と思う人もいるでしょう。
ただ、今回の協業は「小型トラック/ピックアップなどの領域」とあり、トヨタの商用車ラインアップを見ると「ハイエース」や「ハイラックス(ピックアップトラック)」などが該当します。
そう考えるとどうでしょうか。「三人寄れば文殊の知恵」ではありませんが、いすゞ/日野が培ってきた商用事業基盤とトヨタのCASE技術のハイブリッドで、もしかしたら乗用車よりも先に“未来”がやってくるかもしれません。
Writer: 山本シンヤ
自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
コメント
本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。